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SUPER GT RACE REPORT

2020年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝>

2020年10月4日(日) Final 決勝
WAKO'S 4CR GR SUPRA#14 大嶋和也/坪井翔
決勝結果2位
< 決勝 > 天候:曇|コース状況:ドライ

 

2020年 SUPER GT 第5戦 FUJI 公式予選では思うようにタイムは伸びなかったものの、決勝レースに向けてはいいフィーリングを得ていた10月3日(土)の予選日から一夜明け、TGR TEAM WAKO'S ROOKIEはSUPER GT第5戦富士の決勝日を迎えた。曇り空ながら、前日から詰めかけたファンはこの決勝日はさらに増えており、ひさびさに戻った賑わいのなか、午後1時30分からのフォーメーションラップを迎えた。

 WAKO'S 4CR GR Supraのスタートドライバーを務めたのは大嶋。スタート前のウォームアップでフィーリングを確認していた大嶋は、さらにいくつかもっていた新しいアイデアをWAKO'S 4CR GR Supraに投入。これが奏功し、スタート直後から好ペースで追い上げを開始した。

 大嶋はまず、6周目に#17 NSX-GTをかわすと、混戦のなかで素晴らしい走りを展開していく。10周目、#64 NSX-GT、#16 NSX-GTとのバトルのなかでこれを勝ち抜き、10番手へ。まずはポイント圏内に浮上することに成功した。

 さらに、16周目には#12 GT-Rがドライブスルーペナルティを受け後退、さらに今度は少しずつペースが落ちてきた#19 GR Supraが大嶋の前に来る。19周目、大嶋はこれをかわし8番手へ浮上。上位進出への手ごたえを得て、25周目にピットイン。大嶋から坪井翔に交代することになった。

2020年 SUPER GT 第5戦 MOTEGI ここでTGR TEAM WAKO'S ROOKIEのメカニックたちは迅速な作業をみせる。さらにタイヤのウォームアップも早く、坪井はライバルたちがピット作業を終えると、6番手に浮上したのだ。そしてここから、開幕2戦でもみせたような坪井の快進撃がスタートする。

 34周目、#24 GT-Rがトラブルで後退すると、坪井はひとつポジションを上げ5番手に。さらに前を走る#100 NSX-GTに近づくと、38周目のTGRコーナーで見事オーバーテイク。これで4番手に浮上。いよいよ表彰台圏内が見えはじめた。

 勢いに乗る坪井は、さらに2番手の#37 GR Supra。それとバトルしていた#8 NSX-GTの2台とのギャップを急激に詰めていく。WAKO'S 4CR GR Supraのフィーリングは良好。ペースはこちらの方が速い。さらにWAKO'S 4CR GR Supraには、富士スピードウェイ特有のロングストレートで伸びるセッティングが施しており、バトルのなかで強さを発揮していたのだ。

 

2020年 SUPER GT 第5戦 FUJI 52周目、坪井はダンロップコーナーで三つ巴のバトルのなか、#8 NSX-GTをかわしこれで3番手にポジションアップ。さらに最終コーナーでの加速に優った坪井は、#37 GR Supraをストレートでオーバーテイク! これで一気に2番手まで浮上することになった。

 トップを走っていた#39 GR Supraとのギャップは大きく、坪井の追い上げもここまでとなったが、それでも66周のレースで9台抜きという展開をみせたWAKO'S 4CR GR Supraは、見事2位でチェッカー。15ポイントを加算し47ポイントまで伸ばし、これでついにドライバーランキングの首位に浮上することに成功した。

 次戦鈴鹿は重いウエイトハンデを負うことから、WAKO'S 4CR GR Supraは苦しいレースになることも予想される。しかし、こういうレースで強さを発揮してこそ、チャンピオンという目標が見えてくる。2019年、苦しみながらチャンピオンを掴んだ大嶋はその大事さを良く分かっている。

 TGR TEAM WAKO'S ROOKIEは見えはじめた明確な目標に向けて、粘りの戦いを展開するべく、次戦鈴鹿へ挑む。

ドライバー/大嶋 和也
「決勝レースはもともと自信がありましたし、決勝前のウォームアップで新しいことをトライし、そのなかで良かったものをベースにして変更したのが良い方向に繋がったと思います。また、今回は燃料流量リストリクターが入っていたので、ストレートが速く走れるようなクルマを作っていたので、それがレースでうまく活きたとのではないでしょうか。展開にも恵まれ、まわりがバトルをしているなかで順位を上げられたりもしましたし、良い流れでレースを終えられました。これでランキング首位にはなりましたが、まだ予選で上位にいけているわけでもなければ、決勝でもいちばん速いわけでもありませんからね。まだまだ良くする部分はたくさんあるので、さらに上を目指していきたいと思います」

ドライバー/坪井 翔
「公式予選の順位も今季ワーストで、ウォームアップの順位も悪かったので不安はありましたが、今回のレースでは富士の攻め方やセットアップを変えていたので、それが良い結果に繋がりましたね。また今回、ピット作業もメカニックの皆さんが頑張ってくれたので早かったですし、アウトラップもペースも速かったので、すごく良い内容だったのではないでしょうか。個人的にはたくさんオーバーテイクもできましたし、楽しいレースでしたね。バランスが厳しい部分もありましたが、それ以上にまわりも厳しそうでしたからね。まさか12番手から2位に上がれるなんて誰も思っていませんでしたし、これ以上ない結果だったと思います。ランキング首位にも上がりましたので、これからが重要になると思っています」

監督/高木 虎之助
「公式予選ではいまひとつタイムが出なかっただけで、公式練習では3番手でしたからね。レースでは強いと期待していましたが、まさかここまで順位を上げてくれてるとは思わなかったので、嬉しい驚きでしたね。まだクルマはパーフェクトではないようですが、戦闘力はありましたし、ドライバーふたりが素晴らしい頑張りをみせてくれたと思います。またピット作業も良く、それで順位を上げることができました。次戦は苦しいレースになるとは思いますが、そのなかで1ポイントでも重ねることが重要だと思います。まだ3レースありますが、なんとか粘って最終戦ではしっかり勝てるようにしたいと思います」