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SUPER GT RACE REPORT

2012年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <予選>

2012年3月31日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果1位(1分22秒572)
< 公式予選 > 天候:雨〜晴れ|コース状況:ウェット〜ドライ

2012年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <予選> 2 年目を迎える立川祐路、平手晃平のドライバーコン ビで今季もスーパーGT シリーズを戦うこととなった LEXUS TEAM ZENT CERUMO。高木虎之介監督以 下、ふたりのドライバーとチームスタッフたちは、オフシ ーズンの間も精力的にテストで走り込むなど、#38 ZENT CERUMO SC430 のさらなるアップデートと熟成 に取り組んで来た。そしていよいよ迎えた 2012 シーズ ンの開幕戦は岡山国際サーキットが舞台。この岡山で 約 2 週間前に行われた合同テストでもセットアップやタイヤテストなど様々なメニューをこなし、ポジション的にもレ クサス勢トップの総合 3 番手につけ、LEXUS TEAM ZENT CERUMO は大きな手応えを手に今季最初のレース ウィークに臨んだ。

 しかし、思わしくなかった予報通り、土曜の岡山国際は未明から降る雨によって、ウエットコンディションとなった。 午前 9 時からの公式練習に向け、チームは#38 ZENT CERUMO SC430 にレインタイヤを装着するも、思わし くないコンディションの中、セッション序盤はピットで状況を見守ることに。

 僅かに雨量が減り始めたことを受け、LEXUS TEAM ZENT CERUMO は午前 9 時 26 分に#38 ZENT CERUMO SC430 をピットアウトさせる。コクピットには立川が乗り込み、ゆっくりとしたペースでコース状況を確か めながら周回を重ね始めるが、立川が 2 分 07 秒 801 を刻んだ直後、スピンした GT300 車両が立ち往生しセッ ションは赤旗中断に。

 いったん再開されたセッションだが、その 5 分後には再び赤旗となってしまい思うように周回の重ねられなかった #38 ZENT CERUMO SC430 だが、2 度目の再開となった午前 9 時 51 分、立川は再びコースインすると立て 続けに好タイムをマーク。午前 10 時を目前にした段階で、1 分 38 秒 777 でトップに躍り出る。

 いったんは#17 KEIHIN HSV-010 にタイムを逆転された#38 ZENT CERUMO SC430 だったが、さらに 1 分 36 秒 645 にまでタイムアップしトップに返り咲くと、午前 10 時 05 分には 1 分 36 秒 090 へとタイムアップ。 しかし、この直後#39 DENSO KOBELCO SC430 が 1 分 34 秒台の圧倒的なタイムをたたき出すなど GT500 は今季も激戦区の様相。

 その後 3 度目の赤旗中断が入るも、精力的に周回を重ねた#38 ZENT CERUMO SC430 は、午前 10 時 29 分には立川に代わって平手がコースイン。1 分 47 秒台のゆっくりとしたペースでラップを刻み始めた平手は徐々 にペースを上げ、1 分 36 秒 740 にまでタイムアップ。セットアップとタイヤ評価を進めた#38 ZENT CERUMO SC430 は、6番手というポジションで 1 時間 40 分の混走時間帯を終了する。

 10 分間の GT300 占有時間帯に続き、午前 10 時 50 分から始まった GT500 の占有時間帯に、#38 ZENT CERUMO SC430 は再び平手がコースイン。ここでも 36 秒台のタイムで周回を重ねるが、雨が上がり急速に変 化して行くコース状況の中、タイムアップはならずチェッカー。最終的にこのセッションの#38 ZENT CERUMO SC430 は 10 番手というポジションとなった。

 お昼のインターバルに行われたピットウォークの前半には明るい日差しが戻り、コースはさらにドライ方向へと向かっていたものの、ピットウォーク半ばには再び雨が降り始める。一時は激しく降ったものの、午後 1 時を前に再び 雨は上がり、午後 2 時半からの公式予選はドライ路面に転じて行く。

 今回の公式予選は Q1、Q2、Q3 の 3 つのセッションで徐々に遅いマシンがふるい落とされて行くノックアウト方 式。また、今季レギュレーションが変わり Q1~Q2 は同じタイヤで異なるドライバーがアタックしなければならないな ど、両方のドライバーに同様の速さが求められる他、チームにとってはより難しい戦略が求められる形となった。

 雨が上がり、サポートレースの間にほぼドライに転じた路面コンディションを受け、LEXUS TEAM ZENT CERUMO はライバル陣営同様、スリックタイヤを装着して Q1 に臨んだ。15 分間の Q1 を担当するのは立川。従 って、Q2 は平手がアタックし、最後の Q3 を再び立川が走る作戦だ。

 上位 11 台が Q2 進出となる Q1。しかし先に始まっ た GT300 のアタック時間に雨が降り始め、WET 宣言 が出されることに。これを受けて急遽浅溝のレインタイ ヤを装着してコースインした#38 ZENT CERUMO SC430 だったが、思いのほか路面が濡れており、チ ームはいったん立川をピットへ呼び寄せタイヤを換え ようとするが、予想外にコンディションの好転が早そう だとの判断から、チームは#38 ZENT CERUMO SC430 をそのままコースに戻すことに。

 ところがコンディションの好転が早く、ドライタイヤで のアタックが可能と判断した立川は、残り 5 分のところでピットイン。ここでドライタイヤに履き替えようとしていたところで、#35 KeePer Kraft SC430 がアトウッドカーブで立ち往生したため、セッションは赤旗中断となる。

 この段階では 1 分 35 秒 130 で Q1 通過ギリギリの 11 番手だった#38 ZENT CERUMO SC430 だが、予定 通りドライタイヤに履き替えると残り 5 分で再開されたセッション終盤、ラストラップの立川の好アタックで 1 分 27秒 834 と一気にタイムアップ。結局このセッションをトップ通過することとなった。

 混乱の Q1 を無事クリアした#38 ZENT CERUMO SC430 だったが、多くのライバル陣営が新しいドライタイヤを Q2 に残しているのに対し、LEXUS TEAM ZENT CERUMO は Q1 で既にドライタイヤを履いているため、Q2 を担う平手はユーズドタイヤでのアタックを強いられる状況となってしまう。

 ところが、高木監督以下チームスタッフの心配も杞憂に終わる。周囲より、3 分ほど遅れて午後 3 時 33 分にコー スインした平手は、1 周目 1 分 38 秒 807、2 周目 1 分 27 秒 916 と順調にタイムアップ。残り 3 分のところで 1 分 25 秒 795 で 6 番手に浮上すると、さらに 1 分 23 秒 771 の好タイムを刻んで一時 2 番手に。ラストラップは タイム更新こそならなかった平手だが、見事 6 番手でこのセッションを終了。#38 ZENT CERUMO SC430 は無 事 Q3 進出を果たす。

    

 最終 Q3 は再び立川がアタック。タイミングを計って約 3 分ほど経過した時点で立川を送り出した LEXUS TEAM ZENT CERUMO だったが、ここで立川の目前に#18 ウイダー HSV-010 が入ってしまう。このため、計測 3 周 目のアタックラップでこの#18 ウイダー HSV-010 に詰まってしまった#38 ZENT CERUMO SC430 は、ヘア ピン立ち上がりで僅かに追突してしまうなどロスしてしまうが、立川はアクセルを緩めず猛プッシュ。その結果、刻 んだタイムは 1 分 22 秒 572 で#38 ZENT CERUMO SC430 はタイミングモニターのトップに浮上することに。

 2012年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <予選>結局そのまま立川のタイムは破られることなくセッションは終了。これにより、#38 ZENT CERUMO SC430 は 2009 年第 8 戦以来となるポールポジションを獲得、立川も自身が保持していた通算最多 PP 記録を 16 に伸ばす こととなった。

 今シーズンの開幕戦で堂々のポールポジションを獲 得した LEXUS TEAM ZENT CERUMO。明日の決勝 はドライコンディションと目されており、今日のような波 乱はないはず。最前列からスタートする#38 ZENT CERUMO SC430 には、最高のシーズンスタートとな る好レースを期待したい。

ドライバー/立川 祐路
「ポールポジションが獲れたことはうれしいのですが、Q1 で何度もピットインしたりしてあまりに天候に振り回され、 ドタバタした予選だったので“ホッとした”という感覚の方が強いですね。テストの段階から行けるんじゃないかとい う手応えはありましたが、それをポールポジションという結果に出せて良かったです。Q3 のアタックでは、かなり 18 号車との間隔を空けていたのに追いついてしまって。少し接触してしまったので、かなりロスがあったとは思い ます。ピットに戻るとき、無線で順位を教えてもらったのですが、うまく自分の順位が聞き取れず何度も聞き返して (笑)。今日はコンディションも悪く、明日に向けて試せていない部分もあるのですが、決勝にはしっかりとした作戦 を立てて臨みたいと思います」

2012年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <予選>ドライバー/平手 晃平
「今日僕は Q2 担当だったのですが、Q1 は見る立場で凄くドキドキしていました。Q1 でドライタイヤを使っていた ので、Q2 では中古でアタックしなければならなかったのですが、前回のテストで中古タイヤでのタイムが良かった ので自信を持ってアタックに臨む事が出来ました。ギリギリではありましたが、無事 Q2 を突破出来たので、そこさ えクリア出来ればあとは Q3 で立川さんがトップを獲ってくれると思っていました。モニターで Q3 を見ていて、18 号車が邪魔になっていたので大丈夫かなとも思いましたが、帰って来たら凄いタイムで(笑)。あれがなければもっ と凄いタイムが出ていたと思います。明日は自分にとって GT500 では初めてポールポジションからのスタートにな るのですが、スタートから逃げて開幕ダッシュを決めたいですね」

監督/高木虎之介
「テストの時から良い手応えがありましたので、ポールポジションが獲れるんじゃないかとは思っていましたから、 僕自身はドキドキはしませんでしたね。ただ、Q1 でドライタイヤを使ってしまっていたので、ライバル勢がほとんど ニュータイヤでアタックする Q2 で、平手が中古になってしまったので苦しいかなとも思いましたが、平手が良く頑張 ってくれました。Q3 では一発タイムは出るだろうと思っていましたし、そこで履いたタイヤも事前に決勝を想定して 決めていたものなので、結果的には予定通りに進んだとも言えます。やはり失敗は Q1 でドライタイヤを使った点く らいでしょうか。今年は去年よりも 20 周くらい増えていますし、テストの状況から考えると決勝では少しタイヤが厳 しいかもしれないので、明日はいかに最初のスティントを 30 周くらいまで引っ張れるかでしょうね。明日の朝の 45 分間のフリー走行でさらに色々煮詰める必要があると思いますが、昨年後半からの良い流れを途切れさせないよ うに良いレースをしたいと思います」