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SUPER GT RACE REPORT

2020年 SUPER GT 第4戦 MOTEGI <予選>

2020年9月12日(土) Qualify 予選
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
公式予選総合結果 ポールポジション
< 公式予選 > 天候:曇|コース状況:ドライ

 

2020年 SUPER GT 第4戦 MOTEGI 第2戦は速さがともなわず、トップ争いを展開した第3戦はマシントラブル。開幕戦こそ4位だったものの、ここまで満足いく成績が残せていないTGR TEAM ZENT CERUMOにとって、ツインリンクもてぎで行われる第4戦は、是が非でも結果を残したいレース。チームは第3戦でのトラブルの原因を究明し、準備を万端に整えツインリンクもてぎに乗り込んだ。

 ただ、迎えた9月12日(土)の公式予選日は、朝から曇り空。前日の搬入日も激しい雷雨が降っており、天候は間違いなく不順と言えた。実際に午前10時からスタートした公式練習でも、立川祐路が乗り込んだZENT GR Supraがコースインした直後、サーキットには細かい雨粒が降り注ぎ、すぐに路面はウエットコンディションに変化してしまった。

 立川はすぐにピットインし、ウエットタイヤに交換するとふたたびコースイン。ただ、その霧雨が今度はすぐに止んでしまい、ふたたび路面がドライに転じていった。午後の予選はウエットなのか、そして翌日の決勝はウエットなのかドライなのかも分からない状況だが、ZENT GR Supraは変わりゆくコンディションのなかセットアップを確認していった。第3戦鈴鹿から得ていたフィーリングの良さは、変わらず続いている。

 途中赤旗中断をはさみながら、ピットアウト〜インを繰り返しつつ周回を重ねた立川は、24周を終えピットにZENT GR Supraを戻すと、石浦宏明に交代。計測3周と多くの周回をこなせなかった石浦だが、乾きはじめた状況で、1分38秒566というベストタイムをマーク。8番手で走行を終えた。ライバルメーカーのタイヤを装着するマシンが速いが、これもコンディション次第だ。

2020年 SUPER GT 第4戦 MOTEGI インターバルをはさみ、午後2時30分にスタートした公式予選のコンディションは曇り。ただ、周辺の雲から非常に細かい雨粒が流れているような状況で、スリッピーな状況なのは間違いなかった。GT500クラスのQ1に先立ち行われたGT300クラスのQ1でもわずかに雨粒が舞い、通常GT500ではコンディションの良化を待つQ1でも、石浦がステアリングを握ったZENT GR Supraは開始とともにコースイン。ウォームアップに入っていった。

 石浦は3周目、1分42秒021をマークし、まずはタイミングモニターのトップに躍り出る。ライバルも大きくタイムを上げてくるが、翌周石浦はさらに1分39秒588までタイムを上げ、ふたたびトップを取り戻した。しかし、その後続々とライバルがタイムアップ。石浦の順位は、10番手まで落ちてしまった。

 ただ、Q1のチェッカー直前、90度コーナーでコースアウトした#16 NSX-GTの車両回収のため黄旗二本振動が提示されており、石浦は慎重に減速したものの、その最中にタイムアップした3台のベストタイムが抹消となったため、ZENT GR Supraは8番手でQ2進出を果たすことになった。

 

 GT300クラスのQ2をはさみ、午後3時49分にスタートしたGT500クラスのQ2。ZENT GR Supraに乗り込んだ立川祐路はコースオープンとともにウォームアップを行っていくが、GT300クラスのQ2の最中からわずかに雨が降りはじめており、非常に路面はスリッピーな状況となっていた。他の7台は、アウトラップの時点ですぐにピットに戻りタイヤ交換を行ったが、今回ピット位置が最も1コーナー寄りで、Q2出走車両のなかでいちばん早く最終コーナーに差しかかっていた立川からの伝達が間に合わず、1周余分に周回してピットに戻り、ウエットタイヤに交換した。

 TGR TEAM ZENT CERUMOは、迅速にタイヤ交換を行い立川を送り出すが、滑りやすいコンディション、そして逆境のなかでこそ活きるのが立川の技だ。素早くタイヤを温めアタックを敢行すると、なんと一気に1分43秒878へタイムアップ! アタック中に#19 GR Supraと接触してしまうシーンもあったが、黒白旗の警告のみでタイムは抹消されず。これでZENT GR Supraがついにポールポジションを獲得! 立川は通算24回目のポール記録を更新することになった。

 決勝日の天候はまだ予断を許さないが、ポールポジションという位置は誰よりも有利にレースを展開できる位置なのは間違いない。TGR TEAM ZENT CERUMOにとって、リベンジの舞台は整った。

ドライバー/立川 祐路
「正直、ここまでの3戦は苦しい戦いが続いてきました。悪い流れの中にいましたが、第3戦ではクルマのフィーリングはいいものがあったので、今回はどんな状況でも勝つつもりでいました。今日に関して言えば、午前は違うタイヤメーカーのライバルに対して厳しい状況を感じており、まだ悪い流れが続いているかと思いましたが、公式予選で雨が降り、状態が良かったウエットタイヤを使う状況にきたので、やっと流れが来たな、と感じています。この良い流れをしっかり掴んで、明日は結果まで繋げられるように頑張りたいと思います」

ドライバー/石浦 宏明
「午前中はあまり周回をこなせませんでしたが、走り出しからウエットかドライか中途半端な状況が多く、その状態は僕たちのクルマにはあまり合っていないフィーリングでした。実際、公式予選Q1でも通過できるか不安な部分はあり、目一杯いくしかないと切り替えて臨みましたが、結果的にタイム抹消があったためQ2に繋ぐことはできましたが、個人的にはタイムとしては10番手だったので、悔しい部分はありました。とはいえ、しっかりバトンを繋ぐことができ、Q2で立川選手がウエットタイヤを使う状況になったのは自分たちに追い風が吹いた状況だったので、この結果を明日に繋げられるよう、ベストな走りをしたいと思います」

監督/村田 淳一
「公式予選Q1ではコンディションもあり、少しバタバタしてしまいました。ライバルのタイム抹消による繰り上げがなければQ1脱落ですからね。そこからなんとかQ2に進出しましたが、そこでもウエットタイヤに交換するタイミングもミスとは言えないかもしれませんが、ミスに近い部分もありました。しかしそんな状況の中、立川選手が一発のタイムを出してポールポジションを獲得してくれたので、ドライバーの力のおかげだと思っています。立川選手はさまざまなテストをこなしているので、引き出しが多い。それが発揮された結果だと思いますので、ポールポジション記録更新は純粋に嬉しいです。しかし、大事なのは決勝レース。最終的に優勝しなければ意味がないポジションです。明日は雨の予報もありますが、まずはスタートを決め、しっかりレースを終え、良い結果を持ち帰りたいと思っています」