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SUPER GT RACE REPORT

2021年 SUPER GT 第8戦 FUJI <決勝>

2021年11月28日(日) final 決勝
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
決勝結果 5位
< 決勝 > 天候:晴|コース状況:ドライ

 

2021年 SUPER GT 第8戦 FUJI 一夜明け、迎えた11月28日(日)の決勝日。澄み渡る青空のもと、朝から非常に多くのファンがスタンドを埋め、新型コロナウイルス禍以前を思わせるような賑わいをみせるなか、午前11時40分からのウォームアップを経て、午後0時の決勝レースのフォーメーションラップの時を迎えた。前日の予選と比べても時間が早く、また風もそこまで強くなく、気温13度、路面温度22度というなかで迎えた。

 予選7番手からスタートを切るZENT CERUMO GR Supraは、今回も立川祐路が務めた。オープニングラップで立川は、冷え込みのなかでタイヤをウォームアップさせ臨むも、さらにウォームアップ性能が良かったライバルたちが立川に襲いかかる。混戦のなか12番手にポジションを落としてしまうが、GT500は序盤から超僅差の争い。最終戦ということもあってか序盤からバトルも激しい。

 そんななか、3周目のパナソニックコーナーで、立川の眼前を走っていた#17 NSX-GTが#12 GT-Rとヒット。アウト側にいた#19 GR Supraと接触してしまうアクシデントが起きる。この直後にいた立川は、スピン状態となった#17 NSX-GTと#19 GR Supraの間を必死のコントロールで抜けることに成功する。ただ、#19 GR SupraがほんのわずかにZENT CERUMO GR Supraのリヤウイングにヒットした感触があった。立川は、リヤウイングが無事であることを確認し、9番手にポジションを上げる。ただアクシデントで減速した間に、8番手とはやや差が開いてしまった。

2021年 SUPER GT 第8戦 FUJI しかし6周目、GT300クラスで発生したアクシデントをきっかけに、8周目にセーフティカーが導入された。これで前とのギャップを縮めることに成功した立川は、13周目のリスタートからプッシュを続けていく。8周目、#23 GT-Rとの差を縮めると、16周目にこれをオーバーテイク、さらに前を行く#39 GR Supraとのギャップを縮め、20周目にパス。7番手に浮上した。

 この頃になると、GT500クラスでも少しずつピットインの動きが出はじめた。TGR TEAM ZENT CERUMOはピットインのタイミングをうかがい、25周を終えて立川を呼び戻した。ピット作業も素早く、交代した石浦宏明は#1 NSX-GTの後方の6番手につけていく。

 スティント序盤からプッシュを続けた石浦だったが、冷え込みのなかで無闇にペースを上げると、タイヤがダメージを受けてしまう予兆を感じ取り、しばらくは#1 NSX-GTの背後でレースを進めていった。そんななか、30周目には#1 NSX-GTとともに#3 GT-Rをかわしひとつポジションを上げる。

 タイヤのライフを守りながら#1 NSX-GTを追っていた石浦だったが、51周目、石浦の眼前でアクシデントが起きる。GT300クラスの車両が#1 NSX-GTにヒットし、両車ともダメージを受けてしまったのだ。これで石浦は4番手に浮上する。そして、この時点で石浦には別のミッションが生まれた。ランキング首位だった#1 NSX-GTが順位を落としたことで、TOYOTA GAZOO Racingの1台として、首位を走る#36 GR Supraのチャンピオンの可能性をたぐり寄せるためにも、後方から好ペースで飛ばしていたチャンピオン候補の#8 NSX-GTに順位を上げさせないという仕事だ。

 

2021年 SUPER GT 第8戦 FUJI 石浦はペースを上げながらレース終盤を迎えていたが、その頃、ピット作業時間を削るために給油量をアグレッシブに攻めたためか、燃料残量の警告アラートが出はじめた。燃費を気にしながら、かつ#8 NSX-GTに攻めさせないレースをしなければならない。石浦は後方から迫ったペースに優る#39 GR Supraにこそ先行を許したものの、その後はしっかりとペースを保ち、66周を走りきった。ZENT CERUMO GR Supraの今季最終戦は、5位という結果となった。

 

 新たな体制で臨んだ2021年、TGR TEAM ZENT CERUMOは結果的に未勝利のままシーズンを終えることになった。ただ、これを2022年の飛躍に繋げるためにも、これからのオフシーズンが重要となる。来季に向け、TGR TEAM ZENT CERUMOは雌伏のときを迎える。


 

2021年 SUPER GT 第8戦 FUJIドライバー/立川 祐路
「決勝レースに向け硬めのタイヤを選んでいたことから、ウォームアップが難しいのは感じていましたが、スタート直後からライバルのウォームアップが良く、集団に飲まれる展開となってしまいました。最終コーナーでアクシデントがありましたが、本当にギリギリで避けることができました。そこからはフィーリングも良く、コンスタントに走れる状況だったので、セーフティカーランで差を詰めることもでき、順調にポジションを上げることができました。結果的には5位にはなりましたが、やはり予選でもう少し前に行きたかったですし、来季に向けてはそのあたりも見直していきたいと思います。今シーズンは1勝を挙げることができなかったので、来シーズンこそ勝てるように頑張っていきたいと思います」


2021年 SUPER GT 第7戦 MOTEGIドライバー/石浦 宏明
「ピットワークも速く、前に#1 NSX-GTがいた状態で後半のスティントが始まりましたが、本来もっとペースを上げられるフィーリングがありました。ただ、少しプッシュしたときに『タイヤを守った方がいいかな』という感触があったので、後方から来るライバルを退けながら、タイヤを守り、スティント後半でプッシュできるように備えました。そんななか、自分の前で#1 NSX-GTがクラッシュしたので、その後は自分のペースでプッシュできる状況になりました。ただ終盤、燃料が厳しくなる状況にもなりはじめ、タイトル争いの展開もあったので、状況を見極めつつのレースになりました。ピックアップを拾った際に1台にかわされ最終的に5位となりましたが、ペースに課題はありつつも、TOYOTA GAZOO Racing勢のチャンピオンに貢献できたのはひとつ良かったことだと思いますし、GR Supra勢のなかでも前にいけるよう煮詰めていかなければと感じた最終戦でした。今季はなかなか戦えるペースで走れていませんでしたが、シーズン中盤から戦える手ごたえを得て、自分たちでも課題を克服してきました。それが形になってきましたし、この改善を繰り返し、さらに見直していければと思っています」

監督/村田 淳一
「まずは1年間、サポートをいただいたスポンサーの皆さま、TOYOTA GAZOO Racing、トヨタカスタマイジング&ディベロップメントと、関係各位の皆さまに感謝申し上げます。またTGR陣営として、#36 GR Supraがチャンピオンを獲れ、我々も陣営の一角として貢献できたと思いますし、来季のクルマづくりへの期待もこめ、おめでとうございますとお伝えしたいです。我々のレースとしては、着実に進歩を遂げてきましたし、今回の決勝も戦える手ごたえがありました。スタートでは混乱に巻き込まれたところもありましたが、ふたりのドライバーが順位を上げてきてくれましたし、良いレースができたと思います。トラックポジションを攻めた結果、燃料の懸念がありましたが、うまく石浦選手がコントロールしながら走ってくれたと思います。課題もありますが、狙いは良かったと思いますので、その精度を高め、今後に繋げていきたいと思います。1年間ご声援ありがとうございました」