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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選>

2011年7月30日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果9位(1分33秒124)
< 公式予選 > 天候:雨|コース状況:ウェット

2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選> 2011 年シーズンの折り返しとなる第4 戦の舞台は、3月の震災で大きな痛手を受けた宮城県にある菅生。前戦のセパンでは苦しみながらもレクサス勢の最上位となる5位フィニッシュを果たしたLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、まだまだ傷跡の残る周辺地域の復興への想いを強く感じながら金曜にサーキット入りすることとなったが、前週に鈴鹿サーキットで行われた合同テストでのフィーリングも良く、大きな期待を持ってレースウィークに臨んでいた。

 しかし、走行開始となった土曜は朝から生憎の雨もよう。午前8 時25 分からの公式練習は、気温22 度、路面温度25 度、弱い雨が降りしきるウエットコンディションでのスタートとなった。

 セッション開始と同時に、一団となってコースインしたレクサス勢の先頭を切って行く#38 ZENT CERUMOSC430 のステアリングを握るのは立川。立川は雨の中、まずは1 分40 秒台のゆっくりとしたペースで、コースコンディションを確かめながら周回を重ねて行く。

 3 周目に1 分37 秒975 と一気にペースを上げ始めた立川は、さらに1 分36 秒867、1 分35 秒378 と順調にタイムを上げて行くものの、ミシュランユーザーなどを中心とした上位陣は1 分30 秒を早々に切り、27〜28秒台で争っている状況。このため、#38 ZENT CERUMO SC430 のポジションは8〜9 番手あたりにとどまる。「雨量の多い状況でのバランスが今ひとつ良くない……」という立川は、ピットイン&アウトを繰り返しながら、ウエットタイヤの評価とセットアップを進めるが、開始30 分を過ぎた午前8 時58 分に1 分34 秒325 へとタイムアップするものの、この時点でのポジションは12 番手。セッション半ばに雨が止み、コンディションが良化したことで立川は1 分32 秒902、1 分31 秒868、1 分31 秒503 と立て続けにベストタイムを更新してみせるものの、それでもポジションは9 番手。トップとは4 秒以上の開きがある状況に、ピットの高木監督以下スタッフの表情は厳しい。この後1 分31 秒139 までタイムを上げた立川は再びピットイン、セットアップ修正を行う。

 セッションが終盤となった午前9 時35 分、立川は1 分30 秒530 にまでタイムアップし、この時点で8 番手とするが、その直後にGT300 クラスが相次いでクラッシュしたため、セッションは午前9 時39 分に赤旗中断に。午前9 時59 分の再開後、残り11 分となったコースに戻った立川だったが、それ以上のタイムアップはならず。この不安定なコンディションの中、このまま最後まで立川が走行することとなったが、終盤には浅溝のウエットタイヤではまずまずのフィーリングを得るも、最終的に12 番手という不本意なポジションで走行を終えることとなった。

 ピットウォークを終えた午後零時25 分、予選1 回目がスタートした。夕方のスーパーラップに駒を進めるためには、このセッションでトップ10に残らなければならないが、インターバルの間に路面は大きく変化し、ライン上ドライに近づいた、いわゆる生乾き状態。このため、多くのライバル陣営同様、#38 ZENT CERUMO SC430 はドライタイヤを履いて最初の25 分間の混走時間帯にコースインすることとなった。

 ここでもまず乗り込んだのは立川。計測1 周目から1 分22 秒台と公式練習から大きくタイムがアップする中、全車がぶっつけ本番に近いドライコンディションでの攻防が予想された。

 このセッションの立川は計測4 周目に1 分18 秒886 として4 番手につけるなど、順調な滑り出しを見せると、さらに7 周目に1 分17 秒528 をたたき出し2 番手へと浮上する。ここで立川はピットインして平手にステアリングを託すこととなったが、この日初めてコースインした平手がニュータイヤを温めつつ1 分24 秒804、1 分21 秒604 とタイムアップしていくところで、なんとGT300 クラスのマシンがS 字コーナーで亀の子となって動けず、セッションは赤旗となってしまう。

 2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選>残り時間的には大きな問題はなかったものの、この頃から降り出した雨の状況次第ではこの後平手の基準タイムクリアが厳しくなることが予想されたが、残り5 分の再開後、平手は無事1 分18 秒559 にまでタイムアップ。結局、混走時間帯の#38 ZENTCERUMO SC430 は3 番手という好位置を得る。

 この後GT300 の占有時間帯が行われたが、この終盤にコースアウトした車両回収と、そのマシンが巻いたオイル処理のため、GT500 の占有時間帯は午後1 時39 分に始まったが、運良く雨は上がり、コンディションはまずますとなった。

 開始からやや間をとってコースに出た立川は、残り5 分を切る辺りまでゆっくりとタイヤを温めることに専念すると、残り3 分のところで1 分17 秒712 へとペースアップ。その直後から、ライバル陣営の激しいタイムアタックがはじまり、目まぐるしくモニターの順位が入れ替わることに。見る間にポジションを下げた#38 ZENT CERUMOSC430 だったが、ここで渾身のアタックを見せた立川は、22 周目に1分17 秒302 をマークし再び6 番手に#38ZENT CERUMO SC430 を押し上げるものの、ややアンダーステア傾向があり、それ以上のタイムアップはならず。

 それでも8 番手に踏みとどまった#38 ZENT CERUMO SC430 は、見事スーパーラップへの進出権を獲得することとなった。

 午後3 時20 分に始まったGT500 のスーパーラップは、またもウエットに。それも公式練習のときよりも雨量が多く、非常に難しい状況の中でのアタック合戦となった。ウエットとなったことから、チームは温まりの早いユーズドのウエットタイヤを敢えてチョイスして立川を送り出す。

 3 番手に登場した#38 ZENT CERUMO SC430 だが、直前にミシュランを履く#39 DENSO SARD SC430が1 分28 秒601 という圧倒的なタイムをマークしており、さしあたってはこのタイムが立川にとってのターゲットとなる。しかし、少しでもタイヤに熱を入れようとウォームアップランで力が入ったか、なんと立川はアタック前の周にS字でスピン。モニターに見入る高木監督、平手の顔に緊張が走ったが、4 輪がコースを外れれば、そこでノータイムとなってしまうものの、#38 ZENT CERUMO SC430 はコースアウトは免れることに成功。辛くも難を逃れ走行を続けた立川だったが、翌周に渾身のアタックも今ひとつグリップ感が得られず、タイムは1 分33 秒124。悔しい表情でピットに戻ることとなった。

 その後#12 カルソニック IMPUL GT-R が4 輪脱輪を犯してノータイムとなったため、明日の決勝を9 番手からのスタートとなった#38 ZENT CERUMO SC430。不安定な天候に翻弄された一日となったが、明日も同様のコンディションが予想されるだけに、チーム一丸となって上位進出を狙いたいところだ。

2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選>ドライバー/立川 祐路
「午前中はかなり周回を重ねましたが、雨量の多い状況ではタイヤの温まりを含めてちょっと良くなかったのですが、雨が少なくなって来たときにはまずまずだったので、晴れれば悪くはないと思っていました。予想どおり、予選1 回目はぶっつけのドライでしたが、一時3 番手につけるなどフィーリングは良かったと思います。ですが、スーパーラップでまた雨になり、そこでユーズドタイヤを履いたのですが、スピンしてしまったように、温まりはやはり厳しかったですし逆にグリップ感が少なかったように感じました。明日は出来ればドライで決勝をやりたいですが、こればかりは分かりませんし、明日はとにかく頑張りたいですね」

ドライバー/平手 晃平
2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選> 「スーパーラップを立川さんがアタックするということで、セットアップも立川さんが中心となって行ったので、時間などの関係で公式練習で僕は乗りませんでした。それでも予選で問題なくタイムを出せる自信はありましたが、ニュータイヤでコースインしたところで、満足にタイムも出ていない段階で赤旗が出て、さらに最終コーナーあたりで雨が降っていたので、このままでは基準タイムがクリアできないのではとちょっと焦りました(笑)。再開後には、ちゃんとタイムが出せて個人的には良かったと思います。今日のコンディションの中では違うタイヤメーカーのマシンが速かったかもしれませんが、明日は自分たちが出来ることをきちんとして、少しでも上位でフィニッシュ出来るようにしたいですね」

監督/高木虎之介
「午前中は雨が多いときにクルマが曲がらないという状況だったようですが、セッティングを修正していく中で、雨量が減ると急にクルマのバランスが良くなったようだったので、あの時点でそれほど悪くはないな、という印象を受けました。ドライになった予選1 回目でも序盤3 番手になったように、バランスはまずまずだったようですが、若干アンダーステアが残っていたことで8 番手でのスーパーラップ進出になりました。ただ、少しでも温まりが良いようにとスーパーラップにユーズドタイヤで臨んだのは良くなかったかもしれません。ウチだけがユーズドタイヤだったのですが、そのせいかグリップが足りなかったようです。明日も今日のような不安定な天候となれば、戦略やタイヤ交換時期の見極めなどで大きく順位が変動する可能性もあるでしょう。監督である自分やエンジニアの的確な判断が欠かせないと思いますので、そのあたりをしっかりと準備して臨みたいと思います」