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SUPER GT RACE REPORT

2025年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <予選>

2025年11月1日(土) 予選
KeePer CERUMO GR SUPRA#38 石浦宏明/大湯 都史樹
公式予選結果 ポールポジション

 

2025年 SUPER GT 第8戦 motegi
              4月に岡山国際サーキットで幕を開けた2025年のSUPER GTは、数多くのドラマを経ていよいよ最終戦を迎えた。舞台は例年同様、栃木県のモビリティリゾートもてぎだが、TGR TEAM KeePer CERUMOにとって今年は特別な一戦となる。

 シリーズランキングでは、第7戦を終えて石浦宏明/大湯都史樹のコンビは51ポイントを積み重ね、トップとは9.5点差の4位に。チャンピオンを見据えての最終戦となる。そして、2025年限りでのGT500クラス参戦終了を発表していた石浦にとっては、2015年から10年間ともに戦ってきたTGR TEAM KeePer CERUMOでのラストレースとなる。

 そんな最終戦のレースウイークは、走行初日の前日にあたる10月31日(金)は夜半から強い雨が降ったものの、迎えた11月1日(土)は朝から薄曇りとなった。午前9時10分からスタートした公式練習はわずかに路面が濡れた状態で、KeePer CERUMO GR Supraは大湯がステアリングを握り、やや開始から時間をおいてコースイン。このモビリティリゾートもてぎはオーバーテイクが決して容易ではないコース。予選順位は決勝レースの結果にも関わってくる。大湯とチームは大事な午後の公式予選に向けてセットアップを確認していった。

2025年 SUPER GT 第8戦 motegi
              大湯は6周目、1分37秒381というベストタイムを記録し、石浦に交代する。セッション途中からは晴れ間も広がり、路面コンディションも急速にドライに転じていくことになったが、石浦はフルコースイエロー訓練等も経て、専有走行の時間帯に1分37秒598というベストタイムを記録。KeePer CERUMO GR Supraは9番手で午前の公式練習を終えることになった。

 GT500クラスは僅差ではあるものの順位としては決して上位ではなく、Q1を突破できるのか……? という不安もあった。大湯は「セットアップの方向性は間違っていない」という確信を持っており、石浦と大湯は、多忙なスケジュールのなか、セットアップの微調整をエンジニアに伝えた。このフィードバックをもとに、今シーズン何度も見られたように、TGR TEAM KeePer CERUMOは公式予選に向けて劇的にパフォーマンスを改善していった。

 この日は11月とは思えないほど朗らかな陽気に恵まれ、午後2時からスタートした公式予選は晴天で、気温22度/路面温度24度というコンディションのもとスタートした。GT300クラスのQ1を経て、午後2時33分から始まったGT500クラスのQ1でKeePer CERUMO GR Supraのステアリングを握ったのは石浦だ。まずは僅差のなか、Q2の大湯に繋げることがミッション。そしてGT500クラスでの最後の予選で、悔いのないアタックをしようと石浦はコースインしていった。

 石浦はウォームアップラップ時に前で1台がスピンするシーンに遭遇したが、なんとかこれを避けタイヤを温めていくと、午前の公式練習からパフォーマンスが大きく改善していることを確認。4周目にはアタックができなかったが、5周目にフライングラップに入っていった。

 

 ただ、コース終盤にあたる90度コーナーで、KeePer CERUMO GR Supraのギアが入らなくなる瞬間が発生した。コクピットの石浦から冷や汗が吹き出る。このままクルマを止めてしまっては最後尾だ。しかしその直後、KeePer CERUMO GR Supraのギアが入り、石浦はふたたび加速。コントロールラインを通過すると、ほんのわずかなタイムロスで済み、1分36秒022というタイムに。見事3番手につけ、Q2の大湯に繋いでみせた。

 

2025年 SUPER GT 第8戦 motegi
              そんな石浦のアタックを繋げるべく、Q2に臨んだ大湯は今回いつも以上に気合が入っていた。すべては石浦のラストレースを飾るため。そんな思いを込め、大湯はライバルよりもやや早い4周目、渾身のアタックに入ると、1分35秒796というタイムを記録。さらに翌周には1分35秒768までタイムを縮めてみせた。

 

 このタイムを上回るライバルは現れず、石浦のラストレースで、KeePer CERUMO GR Supraはポールポジションを獲得してみせた。逆転チャンピオンに向けてもこれ以上ない位置だ。そして、ポールポジションに与えられる1点を加算し、さらにライバルとの差を縮めた。

 

 舞台は整った。TGR TEAM KeePer CERUMOは今シーズンラストレースに全身全霊で臨んでいく。

2025年 SUPER GT 第8戦 motegiドライバー/石浦 宏明
「公式練習では順位としてはいまひとつで、Q1を通ることができるのか、ラストレースでQ1を通れないかも……ということがちらつく緊張感ある状況でした。今日はトークショー等もあり時間もタイトだったのですが、エンジニアに『こういうクルマにして欲しい』と伝えてから行ったら、戻ってきたときにはエンジニアの表情が変わっていました。Q1では、すべて信じてアタックにいきましたが、最後のアタックだったということもあり、『思い切っていこう』と走りました。途中、90度コーナーでギアが抜けてしまい、『終わった』とも思ったのですが、奇跡的にギアが入り、タイムロスはあったもののQ1を突破することができました。クルマは一気に予選に向けて良くなったので明日が楽しみです。また大湯選手が今まで見たことがないくらい緊張していて、気持ちが伝わってきたのでそれも嬉しかったですね。もてぎでポールポジションからスタートできるのは価値がありますし、ここまで順調にきているので、それを結果に繋げられればと思っています。チャンピオン争いはライバルがいることなので終わってみなければ分かりませんが、僕としてはラストイヤーで2勝できればこれほど最高なことはないと思っています。また家族も観に来てくれているので、最後に子どもたちの前でカッコいい姿をみせたいと思います。この先、子どもたちの記憶に残るような、そしてファンの皆さんにとっても良いレースだったと思ってもらえるような走りをしたいと思います」

2025年 SUPER GT 第8戦 motegiドライバー/大湯 都史樹
「午前の公式練習から苦戦はしていましたが、方向性としては合っているものでした。今シーズンは方向性ごと変えなければいけないことも多かったですし、昨年は修正すらできないこともありましたし、ノウハウが足りないところもありましたが、今日は微調整をうまくやれば良いところにいける手ごたえはあったので、チーム力の向上を感じることができましたし、段取りをすごく良くできたので、それがこの結果に繋がったと思います。Q2ではあれほど早めにタイムを出すことになるとは思いませんでしたが、クルマには手ごたえを感じていましたし、あとは自分の最大限を出すだけだと思っていました。ライバルの1号車が速いだろうとは思いましたが、上に立つことができるだろうというところまでもっていけましたし、すごく良かったです。あとは気持ちで獲れたポールポジションだと思います。もてぎはポールポジションからスタートする価値はすごく大きいですし、だからこそ獲りたかったポールです。チャンピオンが獲れるかはレースの流れもありますが、今シーズン2勝目を飾って石浦選手のラストランをしっかり飾って終えられればと思います」

2025年 SUPER GT 第8戦 motegi監督/立川 祐路
「今週は走り出しから調子を上げることができていますし、公式予選までうまく繋げることができたことがポールポジションに繋がったと思います。予選ではQ1から石浦選手がすごく調子が良いというフィードバックをしてくれましたし、そのまま大湯選手がQ2で決めるべきところをしっかり決めてくれました。石浦選手のラストレースというのはもちろんなのですが、チャンピオンがかかっている今シーズンのラストレースで良いかたちで予選を終えられたこと、それに向けて良いクルマを準備してくれたチームスタッフのおかげで獲れたポールポジションだと思っています。このモビリティリゾートもてぎは、前戦オートポリスとは違って、オーバーテイクが難しいコースです。予選順位が重要になってくるので、最も有利な位置からレースを進めることができます。チャンピオン争いとしては、すぐうしろに1号車もいるので、まだまだ難しい状況ではありますが、自分たちができることはまず勝つことです。その目標に向けてしっかり取り組んでいきたいと思います。明日も頑張ります。応援よろしくお願いします!」