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SUPER GT RACE REPORT

2014年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <決勝>

2014年8月31日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 8位
<決勝> 天候:曇り|コース状況:ドライ

 公式練習ではトラブルもあって苦戦も、セットアップの修正が奏功し午後の公式予選では大きくタイムアップし9番手に食い込んだ#1 ZENT CERUMO RC F。惜しくもQ2進出こそ果たせなかったが、燃料リストリクターによってエンジンパワーを絞られている状況下で望み得るベストに近い予選結果に、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフたちのモチベーションはさらに高まることとなった。

 そして迎えた決勝日。朝から鈴鹿上空は曇り空となるも、雨は降っておらずドライコンディションでのフリー走行が、午前8時半から行われた。午後の決勝は1000kmの長丁場となるだけに、予選ポジション以上に決勝でのセットアップが重視されることは間違いなく、ライバル陣営同様LEXUS TEAM ZENT CERUMOも精力的にこの30分間のセッションを走り込むべく、まずは立川がステアリングを握ってコースインしていった。

 ピットアウトした立川は、気温24℃、路面温度26℃と昨日の予選よりはかなり涼しくなったコース上で、まずは1分59秒210から計測開始。混み合うコース上ではクリアもままならなかったが、5周をこなして午前8時42分にピットイン、今度は平手がコクピットへ。素早い作業で#1 ZENT CERUMO RC Fはコースへと戻って行く。

 平手は残り15分となったコース上で、決勝を想定しながらタイヤ評価とセットアップの確認をしながら周回。午前8時50分に1分53秒657にタイムを上げ10番手、さらに午前8時54分には1分53秒628、翌周に1分53秒061へとタイムアップを続け、#1 ZENT CERUMO RC Fを9番手に押し上げるとそのままチェッカーまで周回を続けることに。

 結局、このセッションでも9番手につけた#1 ZENT CERUMO RC Fは、1000kmという長丁場の決勝に向けての準備を整えることとなった。

 三重県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップに続いてフォーメイションラップが行われた後、午後零時24分についに決勝レースが始まった。#1 ZENT CERUMO RC Fは平手がスタートドライバーを務め、9番グリッドからの追い上げを期することとなるが、オープニングラップのダンロップコーナーで前の#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTと交錯してしまい、その間に#24 D’station ADVAN GT-Rと#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fの先行を許すこととなり、1周目を10番手で終える。

 燃料リストリクターによるストレートの伸びの悪さもあり、さらにペースの勝る#32 Epson NSX CONCEPT-GTに2周目の1コーナーで先行された平手は、その後前を行く#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fを追走もなかなか抜くチャンスはなく、序盤11番手と苦しいレースを強いられる。

 それでも15周目に#46 S Road MOLA GT-Rがトラブルでピットインしたことで、ポイント圏内となる10番手とした平手は、コンマ数秒差で#32 Epson NSX CONCEPT-GT、#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fと三つ巴の攻防を続けるが、他車の後退もあって8番手に浮上した21周目のヘアピンで#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fに続いてGT300車両を抜きに行ったところ、GT300車両と接触。このアクシデントにより、#1 ZENT CERUMO RC Fは右フロントの空力パーツにダメージを負い、マシンバランスが急激に悪化してしまう。

 このためペース的には前を追う力の半減した#1 ZENT CERUMO RC Fだったが、チームは戦略を変更して上位進出を狙うこととし、3番手まで浮上した34周目に#1 ZENT CERUMO RC Fをピットインさせ、立川へステアリングを託す。

 代わった立川は、10番手あたりからレースを再開することとなったが、やはり接触の際に負ったダメージからペースを上げることが出来ず、燃費を気遣いながら着実なペースで周回を刻むことに集中。7〜8番手あたりまで挽回した#1 ZENT CERUMO RC Fは、67周目に2回目のピットインを行うと、再び平手がコクピットへ。

 これで11番手までポジションを下げた#1 ZENT CERUMO RC Fだが、平手も燃費走行を続けながら着実なラップを刻んだことで72周目に10番手、76周目に9番手、さらには89周目には8番手に。

 そして102周目には再び立川がステアリングを引き継ぐこととなったが、リタイアしたマシンやアクシデントに見舞われるマシンも多く、#1 ZENT CERUMO RC Fは106周目に8番手に浮上。しかし、そこからは前の#37 KeePer TOM’S RC Fとのギャップは大きく、自力での7番手浮上は難しい状況となる。

 それでも諦めること無く粘り強く周回を刻んだ立川は、136周目にピットへ。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは最後のスティントを平手に託す。

 9番手でコースに復帰した平手は、140周目に#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがピットインしたことで、再び#1 ZENT CERUMO RC Fを8番手に押し戻すが、それ以上のポジションアップは叶わず、結局#1 ZENT CERUMO RC Fは3周遅れの8位でのチェッカーを受けることに。

 厳しい状況となった長丁場の戦いで、粘りの走りで8位でフィニッシュした#1 ZENT CERUMO RC Fは、今大会が700km以上のレースのためエクストラポイントが追加されたことで、4ポイントを加算。39ポイントのランキング7位として次のタイ大会に臨むことに。シリーズ初開催の場となる次戦のタイでは、ハンデが半減となり再び燃料リストリクターが外されるだけに、LEXUS TEAM ZENT CERUMOと#1 ZENT CERUMO RC Fの本来の速さが再び戻ってくるはずだ。


ドライバー/立川 祐路
「ストレートが遅いので序盤平手は苦しそうに見えましたが、その後まずまずのペースで走っていたので、思っていたよりは戦えるかもしれないと思いました。しかし、最初の平手のスティントで接触があり、そこでクルマにダメージを負ってしまったので、そこからはバランスが悪く、だましだましの苦しいレースになってしまいましたね。それでも最低限のポイントは獲得出来たことが救いです。チャンピオンシップを考えると、今回獲れなかった分のポイントを必ず残り2戦で獲り返さなければなりません。次戦初開催のタイでは、誰にでもチャンスがあるはずですから、そこをうまく攻略して勝ちに行きたいですね」

ドライバー/平手 晃平
「決勝では燃料リストリクターの影響で前のクルマを抜くのに手こずってしまいました。スタート直後のダンロップコーナーで100号車と交錯してしまったのですが、その影響から2台くらい先行されてしまって。そこから39号車を追いかけていたのですが、ストレートで離されてしまうためにずっと抜けず、その後ヘアピンで39号車に続いて抜きに行ったGT300と接触してしまいました。無理に抜きに行かなくても良かったのかもしれませんが、39号車に食らいついて行かなければという思いから判断ミスに繋がったように思います。その後マシンバランスがくずれてしまったので、今日のレースはあれがすべてでした。悔しいレースになりましたが、クルマのセットアップの面で収穫もありましたし、次のタイではウエイトも半分になりますので、なんとしてもいい結果を残したいと思います」

監督/高木虎之介
「序盤に接触してしまったは仕方なかったのですが、このところ毎年のように1000kmという長いレースで序盤のうちにアクシデントに遭ってしまうので……。去年もピットに入らなければガス欠してしまうというときにセーフティーカーが出てしまったり、一昨年もスタートしてすぐにスピンしてしまったりしていたので、今年は着実にレースを戦えば必ずシングルには行けるということは分かっていたのですが、残念ながら今年も序盤でマシンにダメージを負うこととなりました。苦しいレースでしたが、9番手スタートということを考えれば8位ではなく、5位あたりまで行けた可能性があったと思います。ペースが悪くなったことで、最初6スティントの予定だった戦略を5スティントに変更しましたが、燃料リストリクターの影響で6スティントを選択していても速くは走れていなかったのではないかと思います。次のタイでは燃料リストリクターが外れるので、少し速さが復活するはず。それを活かして、最終戦でのタイトル争いにつなげるためにもタイで勝ちに行けるようにしたいですね」