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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <決勝>

2009年8月23日(日) Final 決勝
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
決勝総合結果:3位
<決勝> 天候:晴れ コース状況:ドライ

2009年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <決勝>

 曇りがちだった前日とは打って変わって、まずまずの好天に恵まれた日曜の鈴鹿サーキット。午後に控えた700kmと長い決勝を前に、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは気温33℃、路面温度46℃という暑さで始まった午前10時10分からのフリー走行に臨んだ。

2009年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <決勝> 走行開始からピット内にライアンがレーシングスーツで待機する中、決勝でスタートを担当する立川からコースインすることとなった#38 ZENT CERUMO SC430。コースに出た立川は、セッション半ばまで順調に周回を重ねると、1分58秒463にまでタイムを伸ばし5番手でピットインし後半をライアンに託すが、代わったライアンも1分59秒前後のラップタイムで周回をこなし、30分間のセッションは終了。最終的に#38 ZENT CERUMO SC430は6番手とまずまずのポジションでフリー走行を終えると、その後のサーキットサファリでもフィーリングをチェック。決勝に向けて万全の体制を整える。

 午前よりも雲が増え、ややどんよりとした空模様となった午後2時05分、決勝スタート進行が始まり、8分間のウォームアップが行われた。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはスタートドライバーの立川がステアリングを握り、スタート前の最終チェックを終了。そして、再びピット出口がオープンになると、アウト側2 列目の4番グリッドに#38 ZENT CERUMO SC430を止める。ところが、このスタート進行の間に、なんと空から雨粒が落ち始める。空を見上げて「タイヤ交換しなきゃいけないような、変な展開になってもらいたくないね……」とつぶやく竹内監督。

 豊田章男・トヨタ自動車社長からの激励を受けた立川がコクピットに収まり、午後3時ちょうどにフォーメイションラップがスタート。決勝はその1周後、午後3時05分に始まった。

 1コーナーをポジションキープの4番手でクリアした立川は、長丁場らしく序盤は慎重なレースを展開。コンマ数秒差で#3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R.#6 ENEOS SC430と三つ巴の2位争いを演じる。しかし、時折西コースで雨が降るなど微妙なコンディションの中、4番手走行中の27周目、ダンロップコーナーでインを突いてきた#8 ARTA NSXに横から接触され、バランスを崩しコースオフ。無念のポジションダウンで5番手となってしまう。このため「マシンに大きなダメージはなかったけれど、グラベルでタイヤかすを拾ってしまって……」と、2周ほど苦戦を強いられた立川だったが、チームはトップの#35 KRAFT SC430のピットインによって4番手に復帰した29周終了時に#38 ZENT CERUMO SC430をピットに呼び寄せ、第2スティントをライアンの手に委ねる。

 このピットインによって7~8番手まで順位を下げた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、ライアンの頑張りで35周目に#17 KEIHIN NSXをパスすると、再びポジションは5番手に。「クルマのバランスが良かったから、かなりプッシュできたよ」と、2位争いから徐々に脱落し始めた#8 ARTA NSXとの間合いを詰めたライアンは、52周目にこれをオーバーテイク、4番手に浮上を果たすと、さらに59周目には上位のピットインで3番手に。

 そのままのポジションを走行した#38 ZENT CERUMO SC430は、61周終了時に2度目のピットイン。コクピットには再び立川が収まり、レースは後半戦に突入していくが、いったん7番手に下がったポジションも他車のピットインと立川の追い上げで63周目に5番手、64周目に4番手と順調に挽回。しかしここからは立川も「タイヤを温存したかった」ということで無理はせず、4番手をキープする展開となる。

 しかし、レースが4分の3を超えた85周目、2位を走行していた#8 ARTA NSXがパンク、さらにはピットへ帰還中に車両火災に見舞われたため、セーフティーカーが出動。隊列を整えるなどして88周目にラップリーダーである#35 KRAFT SC430を先頭にしたセーフティーカーランが始まったが、ここで#38 ZENT CERUMO SC430はすぐにピットに入らず、89周終了時にピットインすることに。ここで再びライアンへとバトンをつないだLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、タイミングとしては今ひとつだったか1周早めに入った#36 PETRONAS TOM'S SC430の先行を許すこととなり、91周目からのリスタートは4番手に。

2009年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <決勝> 午後6時28分、暮れなずむ鈴鹿で全車にタワーからライトオンボードが提示される中、ライアンは猛プッシュ。背後の#18 ROCKSTAR 童夢 NSXを引き離しつつ、前の#36 PETRONAS TOM'S SC430を追い詰める。すると、103周目の130R進入で#36 PETRONAS TOM’S SC430はGT300マシンと交錯、コースオフしたことで労せずしてライアンは3番手を手中に収めると、チェッカーを目指して突き進む。

 結局、#38 ZENT CERUMO SC430はそのまま3番手でチェッカー。他車との接触やピットインのタイミングなど、状況が変わっていれば充分に2位は狙えたレースではあったが、3位とはいえチャンピオンシップを考えれば是が非でも欲しかった表彰台フィニッシュを勝ち獲ったLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、これで11ポイントを加算し、ランキングも5位に再浮上。ウエイトの減る残り3戦に向けて、勝負権を得て鈴鹿を後にすることとなった。

ドライバー/立川 祐路
「#8 ARTA NSXとの接触では、インからドンと押し出されるような格好で、アウト側のタイヤかすに乗ってコースオフしてしまいました。2回目のスティントではタイヤを温存しつつも前を追ったんですが、少し3号車のほうが速かったと思います。ただ、SCが入ったときのピットインのタイミングは、ベストではなかったと思います。結果的に3位にはなれましたが、正直あれで僕はもっと順位が下がるかと……。いつピットに入るか、無線でやりとりをしていたんですが、そのあたりはチームとして改善の余地があると思いますし、もっと頑張らないといけませんね!」

ドライバー/リチャード・ライアン
「3位表彰台に立ち、ランキング5位になれたということに、まずは満足している。タフなレースになったけれど、今日はクルマのバランスも良かったし、次戦以降ウエイトが落ちるという状況だっただけに、今回は上位にどうしても入りたかったからね。ここまで不運な展開が多かったけれど、今日はそれが少し少なかったかな。最後のスティントでは絶対に36号車をパスできると信じていたけれど、130Rの進入で向こうがGT300と接触したのを見て、巻き添えを食わないようにちょっと気をつけただけで良かった。とにかく今日は勝てなかったけれど、ハッピーだよ」

監督/竹内 浩典
「序盤の立川の接触に関しては、レースですからああいったことも多少はしょうがないかなと思います。35号車や6号車はウチよりもウエイトが軽いのですが、自分達も重いなりに良いレースが戦えていたんじゃないでしょうか。ただ、ピットインのタイミングは1周遅かったですね。36号車はそこで1周早く入って一気に2位にまで躍進していますし、僕達首脳陣は反省すべき点が残りましたね。しかし、なんとかこれでタイトル争いにギリギリ割って入れるところに来たと思います。次の富士からはもう取りこぼしが許されないので、きっちりとした戦いをしていきます」