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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <予選>

2009年8月22日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選総合結果:4位 (1分56秒104)
<公式予選> 天候:曇り コース状況:ドライ

 不安定な天候の中、粘り強く追い上げて上位進出を果たすも、不運な展開で10位にとどまったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。シーズン終盤のタイトル争いを睨み、そろそろ高得点がほしいところだが、第6戦は第2戦で劇的な優勝を飾ったことが記憶に新しい鈴鹿サーキットが舞台。しかし、例年よりは短くなったとはいえ、シリーズ最長の700kmという長丁場の戦いであるPokka GT SUMMER SPECIALという、通常以上に過酷な一戦となるだけに、チーム、ドライバーともに気を引き締めて土曜の予選日を迎えた。

 薄曇りとなった午前10時40分、気温33℃、路面温度44℃というコンディションの中、走行開始となる公式練習が始まった。ノックダウン方式で行われる午後の予選に向け、いつものようにセットアップとタイヤ評価を行うチームだったが、今回は予選を主にライアンが担当するとあってニュータイヤをライアンが履き、その後ユーズドタイヤで立川がロングでのフィーリングを確認するという流れとなったが、途中西コースで雨がパラつくということもあったものの、「多少オーバー傾向があったけれど、クルマの調子は良いね」と立川が語ったように、終始#38 ZENT CERUMO SC430はモニターの上位に。セッション終了間際の午後零時10分には、その立川がユーズドながら1分56秒883のトップタイムをマークするなど、好調をスタンドにアピールする#38 ZENT CERUMO SC430だったが、その直後に代わったライアンがチェッカー間際、2コーナーで僅かにコースをはみ出してバランスを崩し、ヒヤリとする場面も。その様子をモニターで見ていた立川は、加藤エンジニアと顔を見合わせて苦笑いを見せる。結局事なきを得た#38 ZENT CERUMO SC430はトップでセッションを終了、幸先の良いスタートを切る。

 相変わらず曇り勝ちの空ながら、気温32℃、路面温度40℃となった午後2時40分。ノックダウン方式での予選が始まった。最初はS1と呼ばれる、 GT300との混走時間30分と各クラス10分ずつの占有時間で構成された、合計50分のセッション。ここではふたりのドライバーともに基準タイムをクリアしつつ、かつS2へ進出するためにはトップ12台に入らなければならない。#38 ZENT CERUMO SC430は、まずはライアンがステアリングを握って計測2周目に1分57秒472をマーク、いきなりモニターのトップにつけるなど順調な立ち上がり。混走時間帯半ばにステアリングを引き継いだ立川も、すかさず1分57秒656を刻むと、午後3時03分にピットイン。ところが、ここでGT300マシンがエンジンブロー、発火したためセッションは赤旗に。混走時間帯残り3分で再開されたものの、#38 ZENT CERUMO SC430はコースに出ず、そのままGT300占有時間帯の終わりを待ち、午後3時30分からのGT500占有時間帯に臨むことに。

2009年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <予選> 占有時間がスタートも、約3分ほどコクピットで待機した立川は、午後3時33分にピットアウト。ゆっくりと時間を掛けてタイヤを温める#38 ZENT CERUMO SC430だが、早めにコースに出たライバル勢のタイムアップのために、じりじりとポジションを下げることとなり、残り1分を切った段階では10番手まで落ちることに。しかし、ピットでモニターを見守るスタッフたちの期待に応えた立川は、ラストラップに1分55秒745をたたき出すと、堂々のトップタイムでS1をクリア、S2へと駒を進めることとなった。

 GT300の占有時間帯に続き午後4時ちょうどに始まった、12台で争われるGT500クラスのS2。再び#38 ZENT CERUMO SC430のコクピットには立川が座り、またも2分ほど待ってからのコースインとなった。

 このセッションでも残り4分を切ったころからタイムアタックが本格化することとなったが、またもゆっくりとタイヤを温める立川は、計測1周目は2分06 秒台で11番手。しかし、翌周立川は狙いすましたかのように1分55秒394のトップタイムをたたき出すと、このS2もトップでクリアし、8台で争われる最終セッションとなるS3進出を決めた。「ゆっくり目に出て、最後にトップタイムを出したほうがかっこいいでしょう?」と、笑顔を見せた立川だったが、残るはライアンがアタッカーを務めるS3のみだ。

 午後4時30分から始まったS3に向け、#38 ZENT CERUMO SC430に乗り込むと、満を持して午後4時32分にピットを離れるライアン。立川同様に2分01秒台のゆっくりとしたラップを刻み、タイヤを温めると残り2分を切ったところで、まずライアンは1分56秒552をマークし3番手に。そしてその翌周、チェッカーが提示されファイナルラップとなった最後のアタックで懸命に#38 ZENT CERUMO SC430をプッシュするライアンだが、1分56秒104へとタイムアップを果たすも、いったん5番手に落ちたポジションを3番手に戻すのが精一杯。残念ながら直後にチェッカーを受けた#6 ENEOS SC430にも先行をゆるし、結局#38 ZENT CERUMO SC430は4番手でこのセッションを終えることとなった。「ちょっと最後は路面温度も下がってしまったかな……」と悔しそうな表情を見せたライアンだったが、実はこのS3に進出した場合、このセッションで履いたタイヤで明日の決勝をスタートしなければならないというレギュレーションがあったため、チームではドライバーとも相談の上、このS3ではややハード目のタイヤを選んでいた。結果的にポールポジションは逃がしたが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはいわば万全の体制で明日の決勝に臨むことになるのだ。

 その後、午後6時30分から始まった30分間のフリー走行“ミラクルナイトセッション”では、終始ライアンがステアリングを握って明日の終盤を想定した走行を行った#38 ZENT CERUMO SC430は、明日の決勝を4番手という絶好のポジションからスタートすることとなったのだった。

ドライバー/立川 祐路ドライバー/立川 祐路
「今日は朝から基本的にはクルマは良かったと思います。菅生のあとのタイヤテストで他チームのSCを乗せてもらうなどして参加させてもらったのですが、そこで今回に向けたタイヤ選択など、また改めていい仕切り直しができたことも、今回の良い流れにつながっていると思います。S1、S2のアタックもうまく行きましたが、問題は明日の決勝。このところ、スタートからゴールまで何もなく無事にレースを戦えていないのですが、決勝はそのあたりに気をつけてしっかり戦って、自滅するようなことが無ければ行けると思います。明日は僕がスタートを担当することになると思いますが、序盤は無理せず周囲の状況が見えたところで勝負していければと考えています」

ドライバー/リチャード・ライアンドライバー/リチャード・ライアン
「正直、普段ならばポールポジションを狙える雰囲気があっただけに、ちょっとガッカリだね。ただ、S3でアタックするってことを自分で選んだんだけれど、実は予選用にソフト系のタイヤが2セットしかなかったものだから、結果的に僕がハードを履くしかなかったんだ。残念だけれど明日の決勝を考えれば、当然の選択だからしょうがないよね。ポールポジションは獲れなかったけれど、代わりに決勝に向けては非常に良い状態に仕上がっていると思う。明日は長いレースだけれど、チームもドライバーもミスを犯すことがなく戦えるよう祈っている。後は運さえあれば、表彰台はもちろん、勝つチャンスだってあると信じているよ!」

監督/竹内 浩典
「欲を言えばポールポジションを獲りたかったのですが、同じSC勢でもウチよりも軽いクルマが結果的に前のグリッドに行ってしまったなという感じですね。#3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-Rに関してはタイヤも違いますから読めない部分はあるのですが。ただ、今日一日を通じて速さは充分に見せることができたんじゃないかと思いますし、明日はきっちり表彰台には行きたいですね。チャンピオンシップを考えれば、勝てればそれに越したことはないのですが、まずはしっかりと表彰台に立って、また終盤に向けたタイトル争いに名乗りを上げたいと思います」