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SUPER GT RACE REPORT

2010年 SUPER GT 特別戦 FUJI <予選>

2010年11月12日(金) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選結果
レース1 リチャード・ライアン1位(1分33秒475)
レース2 立川祐路      5位(1分33秒854)

天候:晴れ|コース状況:ドライ

2010年 SUPER GT 特別戦 FUJI <予選> ツインリンクもてぎでの最終戦から3週間のインターバルをおき、迎えたJAF GRAND PRIX。レース距離100kmというスプリントレースを、スタンディングスタートの上、ピットインなしで各々のドライバーが戦うと言う、通常とは異なるレースフォーマットで行われる特別戦、しかもフォーミュラ・ニッポンとの同時開催となるだけに興味深い週末である。シリーズ戦では残念ながら未勝利に終わったLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては、特別戦とはいえ好成績を狙いたいところだ。最終戦では予想外のトラブルに翻弄されたこともあり、チームは今大会を今季の総決算とするべくマシン各部を改めてチェックしなおし、レースウィークに臨んだ。

 やや曇りがちながら、まずまずのドライコンディションで迎えた午前10時30分からの公式練習。久々の3日間開催となる今回、金曜にこの公式練習と予選が行われ、土日は決勝が1レースずつ開催されるスケジュールとなっているが、#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握りセッション開始と同時にコースに出た立川は、まずは3周目に1分36秒730で2番手に。さらに翌周1分35秒990へとタイムアップする。5周を終えてピットインした立川はピットイン&アウトをしながら徐々にセットアップに修正を加え、9周目に1分34秒855へと一気にタイムアップし2番手につけるなど、序盤は順調な滑り出し。さらに翌10周目に1分34秒475へとタイムを上げた立川は、ちょうどセッションの折り返しとなるあたりでタイミングモニターのトップに浮上を果たすと、ふたたびピットへ。50分間と通常より短い公式練習とあってか、いつも以上に急ピッチでセットアップ作業が続けられる。

 午前10時55分からは、#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングをライアンが引き継ぎ、ピットアウト。ライアンはフィーリングをチェックしながら、序盤は1分36秒881、1分36秒772と36秒台での走行を行い午前11時07分に再度ピットイン、さらにセットアップを進めていく。

 細かくマシンに修正を加えながら周回を重ねたライアンは、終盤には1分35秒054をマーク。セッション終盤にはコースの部分的に細かい雨粒が落ちてくるも、大きなコンディションの変化はなく、まずは順調にセッションを終了。最終的にこのセッションのベストタイムは立川のマークした1分34秒475で、#38 ZENT CERUMO SC430は6番手となった。

 Fニッポンのスペシャルステージが終わり、いよいよGTのレース1予選がスタート。GT300のアタックに続き、午後2時35分からGT500のセッションが始まった。このレース1を担当するのはライアン。セッションがスタートすると同時に、#38 ZENT CERUMO SC430のコクピットに収まったライアンが、ニュータイヤでコースインする。

 タイヤを温めつつ、計測1周目を1分47秒803とゆっくりとしたペースで終えたライアンは、2周目に1分34秒332をマーク、いきなり2番手の好位置につける。

 20分間の予選をひとりでアタックし、さらにタイヤも2セット使える状況ということで、翌周にライアンはピットイン。2セット目のニュータイヤに履き換えると、セッション終盤のコンディションの良いタイミングを待つが、この間に#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは7番手あたりにまでドロップしてしまう。

 このため、さらなる好アタックが必須という状況の中、ライアンは午後2時47分にピットアウト。他の多くのライバル勢も同様にコースインしていく中、2セット目のニュータイヤを温めたライアンは、まずは1分38秒358をマークすると、翌周は渾身のアタックを敢行。なんと1分33秒475をたたき出し、一気に#38 ZENT CERUMO SC430をモニターの最上位に押し上げる。

 そのままセッション終了までコース上に留まったライアンだったが、このタイムを上回るマシンは現れず、見事#38 ZENT CERUMO SC430はレース1でポールポジションをゲットすることに。マシンを降り、笑顔でテレビクルーのインタビューに答えるライアンに、ピットのスタッフたちにも安堵の表情が浮かぶ。

 ライアンのポールポジション獲得の流れに乗って、レース2でもフロントロウ獲得への期待が高まる中、午後3時35分からのレース2予選に臨んだのは立川。セッション開始と同時にコースインした立川は、計測1周目を1分38秒563で5番手とすると、2周目にアタック。ここで1分34秒241をマークしてトップに躍り出る。直後に#35 MJ KRAFT SC430の先行を許した立川だったが、2セット目のアタックへの期待を胸に、翌3周目にはピットイン、ガレージでタイヤを履き換えるなど、次なるアタックへの準備を整えることに。

 セッションが残り8分を切った午後3時47分、続々とGT500マシンがピットアウト、2セット目のアタックに向かう。当然立川の乗った#38 ZENT CERUMO SC430も、このタイミングでピットを離れる。

 タイヤを温め、計測1周目を1分35秒212とした立川は、翌3周目に1分33秒854へとタイムアップを果たすが、この段階でポジションはトップに届かず2番手。連続ポールポジションを狙うべく、翌周も諦めずアタックを続けた立川は、セクター2まで好タイムを刻んでいたが、セクター3で僅かにタイムアップを果たせず、このラップは1分34秒018に留まってしまう。結局このセッション、惜しくも#38 ZENT CERUMO SC430は5番手となった。

 土曜のレース1ではポールポジションからライアンが、日曜のレース2では5番手から立川がそれぞれ22周のレースを戦うこととなったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。特別戦ながら、今季を締めくくる好レースを期待したい。

2010年 SUPER GT 特別戦 FUJI <予選>ドライバー/立川祐路
「ちょっと僕の予選自体は失敗してしまいましたね。路面温度が急激に下がり、アンダーステアがきつくなってしまって。その部分の対応はしていたんですが、高速コーナーでのアンダーステアが直らずセクター3でちょっとリヤが軽くなっていたことで、アタックがうまくまとまらなかった感じです。ちょっと残念というか、悔しいですね。ただ、もてぎの最終戦後にチームがクルマを徹底的に見直してもらったことで、走り始めから非常にフィーリングが良く、全体として良い方向に行っているという手応えがあります。失敗してもあの程度のタイム差で収まっているのですから、ポジティブな感じで1日が終えられたように思います。スタンディングスタートとなる決勝はどうなるか分かりませんが、日曜は良いレースが出来そうな予感がしています」

ドライバー/リチャード・ライアン
2010年 SUPER GT 特別戦 FUJI <予選>「今日の結果はチームにとってもレクサス勢にとっても、すごくポジティブなものだと思う。もちろん、僕自身にとってもね。たぶん、僕自身のGTでのポールポジションは2004年のカリフォルニアでのオールスター戦以来じゃないかな。とにかくクルマの状況が良かったし、トラックコンディションも僕のときは悪くなかったんだ。明日はポールポジションからのスタートになるけれど、スタンディングスタートだしどうなるかな……。練習で試してみたけれど、あまり良い感じじゃなかったんだ。ただ、今年はシリーズで勝てなかっただけに、今回はなんとか優勝したい。賞金もあると聞いているけれど、それよりも優勝という結果が欲しいんだよ」

監督/高木虎之介
「もてぎからチームがクルマを見直してくれたこともあり、走り始めから非常に良い状態でした。クルマの剛性感も上がって、一気にフィーリングが良くなったようですが、今年は全体的に予選が思うように行かなかったことが多かったのが、ここでこういう風にタイムが出せたので、来年に向けてかなり安心感を得ることが出来ました。リチャードはポールポジションを獲ってくれましたし、立川のアタックの際でも、区間ベストを繋げば33秒5くらいは行っていたので……。路面の温度が下がってしまったためにタイヤの温まりが今ひとつでうまくセクターベストを合わせることが出来ず、最後のセクター3でちょっとタイムを落としてしまったために5番手になってしまいましたが、心配はしていません。明日からの2レースは、なんとか勝って良いオフを迎えたいですね」