1. HOME > 
  2. SUPER GT > 
  3. 2014年第4戦

SUPER GT RACE REPORT

2014年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>

2014年7月20日(日) Qualify 決勝
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
公式予選結果11位(1分20秒184)
決勝総合結果1位

<決勝> 天候:曇り時々雨|コース状況:ウェット〜セミウェット

2014年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選> 前日、ウエットとなった公式練習では3番手と好調な走りを見せ、予選に期待を抱かせた#1 ZENT CERUMO RC Fだったが、濃霧による視界不良のため公式予選が順延に。このため、日曜の午前に公式予選を行い、その結果でグリッドを決して午後に決勝を行うという変則的なスケジュールが主催者によって発表されることとなり、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはいわば仕切り直しの日曜を迎えた。

 文字通りぶっつけ本番の予選となるが、この日の菅生は前日同様早朝から細かい雨が降り続き、路面は完全なウエットコンディション。前日の公式練習でのパフォーマンスを再現出来れば、上位グリッド獲得が現実のものとなるだけに、再び大きな期待を持ってチームは予選に臨むこととなった。

 ところが、先だって行われたGT300の予選中、雨がやんだことで徐々に路面は回復傾向に。難しいコンディションながら、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは立川に予選を託すこととなった。

 午前9時30分、GT500ボードが提示されると同時にピットを離れた立川だったが、計測ラップに入ろうとした矢先、アタックを終えたGT300マシンがSPコーナーやS字でコースサイドにストップしてしまい、セッションは赤旗に。このため、予選は午前9時40分からの25分間に仕切り直しに。

 気持ちを切り替え、まずはユーズドのウエットタイヤでアタックに向かった立川は、序盤からモニターの上位を争う展開。最初の計測を1分23秒084としたのを皮切りに、2周目は1分21秒427、3周目は1分20秒610、4周目は1分20秒184と、周回毎にライバル陣営とトップを奪い合う攻防を見せる。

 ここでいったんピットに戻った#1 ZENT CERUMO RC Fは、さらに乾いて行くコンディションを鑑みつつ、セットアップ修正を受けるとともに、新しいレインタイヤに履き替えて再びアタックに飛び出して行く。この時点で4番手あたりまで下がっていたポジションを回復すべくタイヤを温めてペースを上げ始めた立川だが、思うようなバランスが得られず、タイムがなかなか上がってこない。最後まで諦めずにアタックを続けた立川だったが、なんとその後タイム更新が出来ぬままチェッカーを迎えることとなり、予想外の11番手という結果に終わってしまった。

 迎えた午後2時の決勝。予選11番手からの逆転を期したLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、スタートを平手に託すこととなったが、8分間のウォームアップの間に路面は急速に好転。結局他のライバル陣営同様、平手はスリックタイヤに履き替えて決勝をスタートすることとなった。

2014年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選> いわゆるダンプコンディションながら、全車がスリックタイヤを履いている状況もあり、2周フォーメイションラップが追加されることとなったが、その間になんと再び雨が降り始める。このため、79周に減算された決勝レースがスタートすると同時に、7台ものライバル勢がピットに入りレインタイヤに履き替えることとなったが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはスリックタイヤのままステイする戦略を選択。一気にポジションを上げた平手は、オープニングラップを3番手で帰ってくるという、ジャンプアップに成功する。

 難しいコンディションながらもスリックタイヤで奮闘する平手は、2周目の4コーナーで#6 ENEOS SUSTINA RC Fをオーバーテイクし2番手に浮上すると、トップを行く#37 KeePer TOM’S RC Fを追走。周回遅れの登場を利用し間合いを詰めると、12周目のSPアウトコーナーでトップに躍り出る。

 トップに立った平手は断続的に雨が降る中、2番手以下を徐々に突き放していく力走。レインタイヤに履き替えたライバル勢が、再度のタイヤ交換のためピットインを強いられるなど、混乱する中で大量リードを築くことに成功。平手の頑張りもあり、レース半ばには30秒もの大きなマージンを稼いだLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、51周目まで平手のスティントを引っぱり、満を持して立川へ交代する。

 トップのままコースに復帰した立川は、やや雨が強まる状況をものともせずハイペースで周回。ピットインにより、一時20秒ほどにまで縮まった2番手とのギャップを再び拡大し始めると、なんと65周目にギャップは1分以上にまで拡大することに。

2014年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選> 結局#1 ZENT CERUMO RC Fは最後まで他の追随を許さず、3番手以下を周回遅れにする圧倒的なパフォーマンスを発揮。見事大逆転での今季初優勝を飾ることとなった。チェッカーを受け、パルクフェルメでマシンを降りた立川は高木虎之介監督と平手とともにスタンドに向けてガッツポーズ。立川にとって今回の優勝は、スーパーGTシリーズ単独トップとなる記念すべき16勝目となったと同時に、#1 ZENT CERUMO RC Fにとってもランキング3位に浮上するという大きな意味を持つ勝利となった。

ドライバー/立川 祐路
「予選では最初のアタックでのフィーリングは悪くなかったのですが、2セット目のアタックではバランスが良くなくて。結果として11番手という悔しい予選になりました。しかし決勝ではスリックで濡れた路面を走るという状況ではクルマのバランスがとても良かったので、特に無理をするということもなく良いペースで走ることが出来ました。チームの判断も良かったですし、平手が頑張ってくれて大きなマージンがあったことで安心して走れました。終盤雨が降って来た中で、少し心配もしましたが、そこでも周囲の状況を見ながら落ち着いて戦うことが出来ました。その結果が、今季の初優勝に繋がって本当に良かったですね」

ドライバー/平手 晃平
「スタートでは多くのマシンがピットに入る中、チームの判断でそのままステイすることになったのですが、それが結果的にうまく行きましたね。その後先行したマシンを抜いたあとも、クルマのバランスが良かったので差がどんどん広がって行く感じでしたし、いつ雨が降るか分からないので毎周プッシュして行きました。結果として20秒くらいのマージンを稼げたので良かったです。交代した後は雨が降って来てドキドキしましたが、最後はトップでチェッカーを受けられて本当に嬉しかったですね。ここまでちょっと苦戦していたんですが、ここから巻き返して行きたいですし、生まれたばかりの2人目の子供にも最高のプレゼントが出来たと思います」

監督/高木虎之介
「決勝のスタートでいきなり雨が降って来たのですが、それほど強くは降らないだろうという読みと、5周もすればタイヤも温まって来て行けるだろうということで、タイヤを履き替えることなくステイすることを選んだのですが、結果としてそれがうまく行ったと思います。その後は順調に平手がトップに立って、頑張って17秒くらいマージンを築いてくれたので立川に良い形でつなぐことが出来ました。最後も雨が降ってきましたが、スタート時同様にずっと雨雲レーダーなどをチェックしながら、それほど長くは雨が続かないということで走り続けたのですが、その状況で今度は立川が1分以上後続を突き放す頑張りを見せてくれて。多くのライバル勢がピットインしたりする苦しい状況をうまく乗り越えることが出来て良かったです。次の富士は燃料リストリクターを絞られるので厳しい戦いとなると思いますが、なんとか表彰台を勝ち獲ってシリーズ後半戦につなげるレースをしたいと思います」