1. HOME > 
  2. SUPER GT > 
    1. 2012年第7戦

SUPER GT RACE REPORT

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選>

2012年9月28日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果4位(1分47秒362)
< 公式予選 > 天候:雨|コース状況:ウェット

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選> シーズン開幕当初から守り続けて来たランキングトップの座を前戦の富士ラウンドで失ってランキング2位に後退、今季初めて“追う立場”となったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。今回の舞台であるオートポリスは大分県と熊本県の県境に位置する山岳コースで、アップダウンに富んだドライバーズサーキットとして知られるが、GT500のコースレコードを立川が保持しているなど、チームにとってもドライバーにとっても相性の悪いコースではないだけに、残り2戦での再逆転に向け是が非でも好リザルトを残したいところだ。

 台風17号の接近が伝えられる中、なんとか雨に降られずに金曜の搬入作業を終えたチームだったが、やはり日曜の朝からオートポリスは雨。今季ここまではあまりウエットコンディションを得意としていない#38 ZENT CERUMO SC430だけに、チームは金曜夜にミーティングを行い、ウエットを想定したセットアップの方向性を見直し、新たなセットアップを施してこの日を迎えていたが、早朝には小雨程度だったものが、午前9時からの公式練習を前に雨脚が強まり、セッションはWET宣言が出される中でのウエットコンディションでのスタートとなった。

 午前9時のセッションスタートと同時に、立川のドライブで雨に煙るオートポリスのコースに出て行った#38 ZENT CERUMO SC430。早々に連続走行に入った立川は、まずは2分00秒731から計測をスタート。気温15℃、路面温度16℃と非常に寒いコンディションの中、じっくりとタイヤを温めつつ立川は周回。計測3周目となる午前9時10分には、1分55秒443とその段階でのモニターのトップにつけた#38 ZENT CERUMO SC430は、翌周ひとまずピットへ。立川のコメントを元に、チームは素早くセットアップを修正していく。

 午前9時23分に再び立川がステアリングを握ってピットアウトした#38 ZENT CERUMO SC430は、一時8番手あたりまで後退していたものの、ここで1分50秒173をマークして再びトップに立つなど、雨量の多いセッション前半はまずまずの滑り出し。さらにピットイン&アウトを行い、セッティングを進めた立川は、午前9時38分には1分49秒918にタイムアップも、ライバル陣営もタイムを上げており、この時点での3番手に。

 午前9時43分には立川に代わって平手が#38 ZENT CERUMO SC430を駆ってコースへ。徐々に雨が減り、コンディションが刻々と変化する中、平手は周回を重ねると午前9時55分に1分49秒354をマークして5番手に浮上。さらにピットイン&アウトを行いながら、タイヤの評価とマシンセットアップをこなしつつ#38 ZENT CERUMO SC430は周回を重ねて行く。

 こうした作業の中で、一時は15番手までポジションを下げていた#38 ZENT CERUMO SC430だが、午前10時20分には平手が1分48秒220をマークし9番手に。さらにセットアップを進めると、混走時間帯終了間際には再び立川が#38 ZENT CERUMO SC430に乗り込み、1分49秒581をマークするなどセットアップを確認して混走時間帯を終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、その後行われた10分間のGT500占有時間帯は雨量が非常に多く、平手がステアリングを握ってコースインもタイムアップはならず。他のGT500マシンもすべて2分前後での周回に留まり、結局このセッションでの#38 ZENT CERUMO SC430は13番手というポジションに留まることとなった。

 ピットウォークやサポートレースが行われた後、午後2時からスタートした公式予選は、今回もノックアウト方式。まずは15分間のQ1でトップ11に入り、Q2進出を決めたいLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、アタックを立川が担当。朝の公式練習に比べても雨量が増え、一層の難コンディションセッションとなる中、午後2時15分のGT500のQ1開始と同時に立川はコースに飛び出して行くが、計測ラップに入ろうかというところで#39 DENSO KOBELCO SC430がコースアウトしたためにセッションはいきなりの赤旗に。

 午後2時23分、Q1が再開されると立川も再びコースへ出て行くが、コース上には多くの水がたまり、至る所でハイドロプレーニングが起きるような状況。しかし、細心の注意を払いながら2分というゆっくりとしたラップでタイヤを温めた立川は、翌周を1分57秒389として8番手に。異なるタイヤメーカーのライバル陣営はさらに速いラップで周回しているものの、立川は状況を冷静に判断しながら翌周に1分56秒192にタイムアップも、ポジションは9番手。

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選> 11番手までに入らなければQ1敗退となってしまうため、立川はさらにプッシュしようとするが、午後2時33分に#6 ENEOS SUSTINA SC430がコースオフ。セッションは再び赤旗となり、そのまま終了。トップとのタイム差は大きかったものの、#38 ZENT CERUMO SC430は9番手でQ1をうまく突破する。

 雨が小康状態となったことに加え、GT300のQ2で再び赤旗があったことなどから、続くGT500のQ2を前にコンディションは急速に好転していく。ここでLEXUS TEAM ZENT CERUMOはQ2を平手に託す。

 午後3時05分から10分間で行われるこのQ2では上位7台がQ3への勝ち抜けとなるが、セッションの開始と同時に平手がコースインも、なんと開始3分で#32 EPSON HSV-010がクラッシュ。またもセッションは赤旗となり、残り6分で午後3時21分に再開された。

 仕切り直しのアタックに向け、ここでややゆっくり目にピットを離れた平手は1周目を1分50秒103の5番手に。6分と短いセッションのため、早くも翌周が最後のアタックとなった#38 ZENT CERUMO SC430だが、ここで渾身のアタックを見せた平手は1分49秒322をマーク。一時はノックアウト圏内に後退していた#38 ZENT CERUMO SC430の順位を7番手に押し上げる。この平手の頑張りで、#38 ZENT CERUMO SC430は辛くも7番手でのQ3進出を果たす。

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選> 続く最終のQ3は、再び立川がアタック。Q2を走った平手からの情報で、このQ3に向けては溝の浅いインターミディエイトタイヤに履き替えた#38 ZENT CERUMO SC430は、午後3時52分、セッションが始まるとピットを離れていく。

 Q1よりもかなり乾いて来た路面を確かめながら、最初のアタックを1分48秒582で3番手につけた立川は、翌周に1分47秒362をたたき出して2番手に。さらに翌周もアタックを続けたものの、タイムは1分47秒667

と更新はならず。この時点でライバル陣営のタイムアップもあり#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは4番手に。

 結局#38 ZENT CERUMO SC430はこのままQ3を終了。明日の決勝を4番手とまずまずのポジションからスタートすることとなったが、直接的なライバルとなるポイントリーダーの#1 S Road REITO MOLA GT-Rが10番手でQ2敗退となっただけに、逆転タイトルを目指すLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては非常に勇気づけられる予選結果となった。何らかの台風の影響が予想される日曜だが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては絶好の予選結果となっただけに、最終戦での逆転タイトルに繋げるためにも是が非でも表彰台フィニッシュを期待したいところだ。

ドライバー/立川 祐路
「昨日ミーティングをしてこれまでとは違う形でウエットでのセットアップをしたのですが、これまでのウエットコンディションの中では一番良い状態だったと思います。ただ、朝の公式練習ではライバル勢も予想通りに速く、厳しい状況を覚悟していたのですが、雨の多いQ1を苦しいながらも無事突破し、平手が頑張ってくれてQ2を通過した段階で、良い流れが来ているなと凄く感じましたし、そこで生き残れたのが大きかったですね。Q3でのアタックはまずまずといった感じで凄く良かったわけでは無かったのですが、それでも4番手という良いグリッドが確保出来て良かったです。Q3でも溝の深いタイヤを選択していたマシンが何台もいたようですので、その点では平手からの浅溝で行けるという情報が助かりました。明日はどういうコンディションになるかは分かりませんが、今日の予選結果を受けて、一層モチベーションが高まって明日決勝を戦えそうです!」

ドライバー/平手晃平
「朝に立川さんから引き継いでいろいろ試しながら走ったのですが、クリアもなかなか取れない状況でタイムもあまり出せず簡単ではありませんでした。自分のベストタイムが出た後、雨が多い状況ではライバル勢のペースではとても走れそうな雰囲気ではなかったんですが、基本的には昨日ミーティングして雨のセットアップを変えたことが上手く行ったと思います。Q2では僕も溝の深いタイヤでのアタックでしたが、かなり水が少なくなっている状況で、この分ならばQ3は確実に浅溝だと進言したのですが、それで立川さんが4番手を獲ってくれて本当にうれしいです。Q2での自分のアタックに関しては、7番手とギリギリの通過でしたが、100%プッシュ出来ましたし自分としては良い仕事が出来たと思いますし満足しています。明日はもしドライになっても、テストなどでしっかりロングランを確認しているタイヤでスタートするのできっと良いレースが出来るはずです」

監督/高木虎之介
「これまであまりウエットでのパフォーマンスが良くない傾向があったのですが、それを考えれば4番手という今日の予選結果は非常にチームとドライバーが頑張った結果だと思いますね。立川のQ1の順位を見た時、正直Q2を突破するのは厳しいかもしれないと思ったのですが、平手が頑張って良くQ3に残ってくれました。ポイントリーダーの1号車が10番手に終わったということもありますが、その時点で今週は流れが良いのかもしれないと感じましたね。自分たちが2列目からスタート出来るのですから、タイトル争いで再度逆転するためにも、明日は1号車の前でフィニッシュすることは大前提ですが、それも出来れば表彰台でフィニッシュしたいところです。前戦でいったん流れを失ってしまったかなと思ったのですが、今日の結果を見れば、明らかに自分たちに流れが戻って来ている。この流れを逃さないように明日もチーム、ドライバーともにミスなく戦いたいですね」