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SUPER GT RACE REPORT

2012年 SUPER GT 第2戦 FUJI <予選>

2012年5月3日(木) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果6位(1分44秒937)
< 公式予選 > 天候:雨|コース状況:ウェット

2012年 SUPER GT 第2戦 FUJI <予選> 今季開幕戦をポール・トゥ・ウインで飾り、最高のスタートダッシュを決めたLEXUS TEAM ZENT CERUMO。反面、第2戦に向けて40kgというハンディキャップウエイトを搭載することとなったわけだが、その舞台はチームにとっても立川祐路、平手晃平のドライバー陣にとってもゲンの良い得意の富士スピードウェイ。昨年見事な逆転優勝を飾った思い出のサーキットであり、レクサス陣営にとってホームコースだけに、今回は500kmという長丁場の戦いとあって、トップハンデながらもさらなる上位入賞に向けて期待を持ってレースウィークを迎えることとなった。

 

 ところが、搬入日となった金曜からサーキットは雨もよう。ピットを設営しマシンを運び入れるスタッフ達の頭上に降り注いだ雨は、予選日となる土曜になっても弱まる気配もなく、午前9時からの公式練習もフルウエットコンディションの中、セッションがスタートした。

 気温15℃、路面温度15℃。WET宣言が出される中、まずはGT300とGT500の合同セッションから始まった公式練習が始まると、#38 ZENT CERUMO SC430はまずは立川がステアリングを握ってコースイン。難しいコンディションながら、コースチェックなどをこなしつつストレートを1回通過すると、翌周にはいったんピットインする。

 午前9時07分に再びコースに戻った立川は、ゆっくりと周回を重ねて行くものの、多くのライバル勢がコースアウトやスピンを喫する状況に、本格的なタイム計測にはなかなか入れない。再び#38 ZENT CERUMO SC430がピットインした後、午前9時17分にはダンロップコーナー付近でクラッシュが発生し、セッションは赤旗中断に。

 午前9時25分、セッションが再開されるも#38 ZENT CERUMO SC430はピットでしばらく待機。この間、サーキットビジョンにはピットでモニターを見つめる平手と高木監督が映し出されるが、ふたりともちょっとおどけてみせるなどリラックスした空気がピットに流れる。

 ようやく午前9時38分、#38 ZENT CERUMO SC430は再びコースインすると、ピットイン&アウトをしながらセットアップを進めて行くと、午前9時51分には1分54秒526で11番手に。さらに翌周1分52秒523で8番手とするなど、徐々にペースを上げて行く。ところがこの後セッションはさらに2度の赤旗中断が入るなど混乱。降り続く雨の中、周回を重ねた立川だが、コンディションの悪化に加え、マシンバランスも今ひとつとあって、それ以上のタイムアップのないまま11番手で混走時間帯を終える。

 午前11時にスタートしたGT500占有時間帯には、立川に代わって平手がコクピットに。中断やGT300の占有時間帯の間にコンディションがやや回復したことで、平手はラストラップに1分47秒358にまでタイムを上げたものの、最終的に#38 ZENT CERUMO SC430はこの公式練習を12番手という不本意なポジションで終えることとなった。

 今大会は前回と異なり、スーパーラップ方式を採用しているため、午後1時15分からのGT500の予選1回目は、続くスーパーラップへの進出権争いとなったが、ここでLEXUS TEAM ZENT CERUMOは公式練習からセットアップに修正を加えた#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを平手に託す。

 2012年 SUPER GT 第2戦 FUJI <予選>

 15分間のセッションが始まると同時に深溝のレインタイヤを履いてピットを離れた平手は、まずは計測1周目に1分47秒943をマークし5番手に。さらに1分46秒491にタイムアップした平手だが、予想以上にコンディションは好転しコース上の水が急速に少なくなっていることを踏まえ、高木監督以下、チームは#38 ZENT CERUMO SC430をピットに呼び寄せ、同じ深溝でもややコンパウンドが硬めのタイヤに履き替える決断を下す。

 残り8分を切ったところでピットインした平手は、4輪を交換すると再びピットアウト。この時点で#38 ZENT CERUMO SC430は9番手と、かろうじてスーパーラップ進出権を得る10番手以内には入っているものの、まだまだ予断を許さない状況だ。ピットアウトした平手は、短時間でタイヤを温めると残り5分で計測に入るが、既にこのとき#38 ZENT CERUMO SC430は12番手までドロップしており、チームは平手のアタックを固唾を呑んで見守ることに。しかし、ここで期待通りのアタックを見せた平手は、残り3分となって1分45秒223にタイムアップ。#38 ZENT CERUMO SC430を6番手に押し上げるが、同様にセッション終盤を迎え、ライバル勢も続々とタイムを上げてくるため、瞬く間に#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは下がってしまう。

 それでも、さらにアタックを続けた平手は残り1分を切ったところで1分45秒170をマーク。ファイナルラップこそ僅かにタイム更新はならなかったが、見事8番手でスーパーラップへの切符を勝ち獲ることに成功する。

 そして迎えた午後3時。いよいよGT500のスーパーラップが始まった。予選1回目にエンジントラブルに見舞われた#12 カルソニック IMPUL GT-Rが出走を見合わせたため、#38 ZENT CERUMO SC430を含む9台のマシンがワンラップアタックに臨む。

 ほぼ雨はやんでいるものの、引き続きウエットコンディションとなっていることで、チームは#38 ZENT CERUMO SC430に浅溝のレインタイヤを装着。アタッカーを務める立川に全てを委ねることとなった。

 2012年 SUPER GT 第2戦 FUJI <予選>トップを切ってアタックに入った#18 ウイダー HSV-010が1コーナーでコースアウトを喫し、ノータイムとなるなどまだ難しいコース状況で、この日初めて履く浅溝のタイヤでの手探りのアタックを強いられた立川だったが、3番目に登場しゆっくりとタイヤを温めると、渾身の計測ラップに入る。セクター1は先にアタックを終えた#1 S Road REITO MOLA GT-Rを1000分の14秒上回るも、コカコーラコーナーではブレーキングで痛恨のミスを犯した立川。すんでのところでコースアウトを免れると、そのままアタックを続行し、セクター3で後れを取り戻すと、見事1分44秒937と、その時点でのトップタイムをマークする。 「ブレーキをロックさせてしまった……」と、コカコーラコーナーでのタイムロスを悔しがった立川だったが、それでも最終的に#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは6番手。500kmという、通常よりも長い明日の決勝での挽回に向け、充分な手応えを感じられるまずまずの好位置を手にすることとなった。

 

 明日は天候の好転が予想されているだけに、決勝はドライでの戦いになる公算が強いが、ドライで好パフォーマンスを見せた岡山を踏まえ、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは実績と自信を既に得ているだけに、明日の決勝でも再びの表彰台獲得に期待が掛かる。

 

2012年 SUPER GT 第2戦 FUJI <予選>ドライバー/立川 祐路
「午前の公式練習では、雨の量が非常に多く待機する時間が長く、あまり周回を重ねることが出来ませんでした。クルマの状態としても、かなりバランスが悪く必ずしも良い週末のスタートという訳ではありませんでした。正直、予選1回目をクリアしてスーパーラップに出られないのでは、と思っていたほどだったので、6番手というポジションにはかなりポジティブに捕らえています。スーパーラップでは、午前から大きくクルマも変わっていましたし、浅溝で走るのも初めてとあって、短いウォームアップの周回の間に状況を把握してパフォーマンスを引き出すのにはかなり苦労しました。最初に18号車がコースオフしていたことを無線で聞いていたので、コカコーラコーナーでブレーキをロックさせて飛び出しかけたときには、“うわっ! 僕もか!”と思って(笑)。0.5秒くらいロスしてしまいましたが、なんとか踏みとどまれて良かったです。明日はドライになると思いますが、結果的に6番グリッドからスタート出来ますし、まだ開幕からの良い流れは続いているなという手応えもあります。明日はチームの戦略やピットワークで順位を上げて、最終的に表彰台を目指したいですね」

 

ドライバー/平手 晃平
「公式練習の前半、立川さんが乗っている間、モニターでもかなり乗り難そうなのは感じていました。僕が終盤に交代した時点でかなり水の量は減って来ていましたが、それでもかなりリヤが不安定だったので、予選1回目に向けてかなりアンダー方向にクルマを変えてもらって。それが上手く行って、なんとかスーパーラップに進めて良かったです。最初は深溝の柔らかい方のタイヤでコースインしたのですが、水がかなり無くなって来ていてゴムがぐにゃぐにゃ動いてしまうようなフィーリングがありましたし、他のマシンがより硬めのタイヤでタイムを出しているという情報もあったので、タイヤを変えることにしたのですが、履き替えてドーンとタイムが上がったので良かったですね。スーパーラップでは立川さんが頑張ってくれて6番手ということで、まずまずのポジションからスタート出来ますし、ドライでは岡山でも好調でしたので、明日も期待しています」

監督/高木虎之介
「スーパーラップで立川が0.5秒落としてしまったのは残念でした。飛び出しそうになったとき、その前に18号車がコースアウトしたことを立川に伝えなければ良かったかなと一瞬思いましたが(笑)。とにかく朝の状況が良くなかったので、それでもなんとか6番手を獲れたということは良かったかなと思います。チームとして、良く巻き返せたなという感じです。ウエイトを積んでいることを考えれば、結果として6番手はまずまずかなと。明日は500kmと長いレースですし、ドライでの決勝はぶっつけ本番になるでしょうけれど、テストではかなりしっかりとデータが取れているので、そのデータをうまく活かしながら戦えれば良いですね。とにかく今チームは流れが良いですし、開幕戦のようにしっかりとレースを戦えれば、自ずと良い結果がついてくると信じています」