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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第5戦 SUZUKA <予選>

2011年8月20日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果11位(2分11秒167)
< 公式予選 > 天候:曇り~雨|コース状況:ドライ~ウェット

2011年 SUPER GT 第5戦 SUZUKA <予選> 異例の低温に雨もようと、天候不順となった第4 戦菅生では、序盤に平手が好レースを展開も、他車と接触するアクシデントに加えドライブスルーペナルティーを受けるなど、予想外の展開に翻弄されたLEXUS TEAM ZENT CERUMO。後半スティントに立川が追い上げるも、無念の11 位ノーポイントに終わっただけに、今大会に賭けるチーム、ドライバーの意気込みは並々ならぬものがある。

 そんな陣営が挑む第5 戦は、シリーズ最長距離を誇る真夏の鈴鹿・ポッカGT サマースペシャル。過去には1000km、09 年からは700kmで行われて来た伝統的なイベントだが、今季は省電力などを鑑み、500kmでの攻防となった。それでも2 回のピットインが義務付けられ、通常の倍のレース距離を戦う厳しさはシリーズ中で最も過酷であることは変わらない。真夏の暑さ対策を含め、チームは万全の体制で鈴鹿サーキットに乗り込んだ。

 ところが、真夏の祭典と呼ばれるほど、毎年暑さがポイントとなるはずのこの週末、予報はまたも雨もよう。公式予選とスーパーラップが行われる土曜も、早朝から雨まじりのどんよりとした天候に。しかし、なんとか雨は落ち着き、午前9 時55 分からの公式練習は気温26 度、路面温度30 度と、ドライコンディションでのスタートとなった。

 開始からやや間を置き、午前10 時05 分にコースインしたのは立川。しかし、立川が計測ラップに入ろうとした矢先、ヘアピン立ち上がりの200R、さらにその先の250R で相次いでGT300 マシンがストップしてしまい、セッションは1 時間30 分を残していきなり赤旗中断に。このため、#38 ZENT CERUMO SC430 は、計測ラップのないままいったんピットへ帰還する。

 午前10 時19 分にセッションは再開。ここで再びコースに戻った立川は、最初の計測ラップで1 分56 秒617をマークし7 番手につけると、翌周には1 分55 秒829 へとタイムアップし5 番手に。スピンやコースアウトするマシンが続出する中、好調な滑り出しを見せる#38 ZENT CERUMO SC430 は、さらに翌周1 分55 秒424 をたたき出し、タイミングモニターのトップに躍り出る。

 ここでいったんピットに戻った#38 ZENT CERUMO SC430 は、立川から平手に交代。ステアリングを引き継いだ平手も、1 分56 秒877 をマークするなど#38 ZENT CERUMO SC430 のフィーリングをチェック。その後、再びコクピットには立川が戻り、ピットイン&アウトを繰り返しながらセットアップを煮詰めて行く。しかし、午前11 時07 分に130R 進入でスローカーをかわした際、ギャップでボトミングしバランスを崩した#38 ZENT CERUMO SC430 はコースアウトを喫してしまう。一瞬ひやりとした立川だったが、大事には至らずそのままコースに復帰、順調に周回を重ねて行く。

 セッションの残り20 分となったところでニュータイヤを履いてアタックを敢行した立川は、クリアラップに恵まれなかったものの、1 分55 秒423 と僅かながらトップタイムを更新すると、終盤に再び平手にステアリングを委ねることに。平手はまたも1 分56 秒台の安定したペースで周回すると、そのままチェッカー。#38 ZENT CERUMO SC430 は、最初のセッションをトップのまま終えることとなり、午後の予選に向け幸先の良いスタートを切ることとなった。

 午後零時55 分にスタートした公式予選1 回目。気温28 度、路面温度32 度のドライコンディションとなったこのセッションでは、ふたりのドライバーの基準タイムクリアとともに、予選2 回目に進出するために11 番手以内を確保しなければならない。

  まず混走時間帯に平手がステアリングを握ってコースインした#38 ZENT CERUMO SC430 は、順調にタイムを伸ばし1 分56 秒856 をマーク。さらにペースアップしつつあった平手だったが、シケインでGT300 車両がクラッシュし、セッションは赤旗に。

 2011年 SUPER GT 第5戦 SUZUKA <予選>ここで平手の基準タイムクリアは問題なしと判断したチームは、午後1 時09 分のセッション再開時には立川に交代。コースに出た立川は、ペースの遅いGT300 マシンたちにパッシングをしながらハイペースで周回。午後1 時18分には1 分55 秒479 をマークして、その時点での2 番手と好位置につける。

 最終的に3 番手で混走時間帯を終えた#38 ZENT CERUMO SC430 は、ラスト10 分のGT500 占有時間帯に再び立川がアタック。タイミングを見計らいファイナルラップに渾身のアタックを敢行した立川は、チェッカー提示直後に1 分54 秒352 をたたき出し、5 番手に浮上。このまま予選1 回目を終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMO は、見事予選2 回目に駒を進めることとなった。

 ところが、サポートレースの間にデグナーカーブ付近で降り出した雨が強さを増し、午後3 時35 分からのGT500 のQ2は完全なウエットコンディションに。慌ただしくウエットセッティングを施し、レインタイヤを履いた#38 ZENT CERUMO SC430 に乗り、立川がピットアウトして行く。

 2011年 SUPER GT 第5戦 SUZUKA <予選>コースに出た立川は、ゆっくりとタイヤを温めると残り5 分を切ったコース上でアタックに入る。しかし、予想以上のアンダーステアに見舞われ、思うようにペースアップ出来ない。2 分13 秒860、2 分12 秒079 とタイムを上げて行くものの、ライバル勢は2 分8〜9 秒をマークしており、#38 ZENT CERUMO SC430 のポジションは4 番手、9 番手……、とドロップして行ってしまう。それでも諦めずプッシュを続けた立川は、ファイナルラップに2 分11秒167 とタイムを上げるが、最終的な#38 ZENT CERUMO SC430 のポジションはまさかの11 番手。予期せぬQ2 敗退となってしまった。

 ピットに戻って無念の表情を見せた立川。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、明日の500kmの長丁場を11番グリッドからスタートすることとなってしまったが、明日の予報も雨もようとなっているだけに、混戦となるのは必至。高木監督以下、チーム一丸となっての頑張りで上位進出を期待したい。

2011年 SUPER GT 第5戦 SUZUKA <予選>ドライバー/立川 祐路
「突然ウエットになった予選では、予想以上のアンダーステアでした。菅生と同じなのですが、ドライでクルマを合わせると、ウエットになったときに強いアンダー傾向になってしまって。今日は菅生の状況から、車高などを含め相当アンダーステア対策をして行ったのにも関わらず、それでも足りなかった。クルマはドライでは本当に順調で、Q3には問題なく進出出来る手応えがあったのですが……。明日はとにかく頑張るしかないですが、明日雨が夕方には上がるような情報もあり、非常に難しいレースになりそうな気がします。それだけに、戦略やタイミングの判断が重要になると思いますが、チームと監督を信じて戦います」

ドライバー/平手 晃平
「菅生でも同じような状況だったのですが、やはりドライからウエットなったときにフロントが入らない症状が出ていたので、今日はそれを踏まえてセットアップしたということですが、それでも足りなかったようです。ドライであればトップ3 を争える力があっただけに悔しいですが、明日も天候がどうなるか分かりませんし、ドライでは良いセットアップが出来ているので、後はウエットのセットをなんとか合わせて行かないと……。明日はどういう戦略になるか分かりませんが、自分のスティントをしっかり走りたいですね」

監督/高木虎之介
「ドライでは凄く調子が良く、公式練習でトップタイムを奪うほどだっただけに期待していたのですが、雨が降って来てリズムが狂ってしまったようで残念です。10 分しかないセッションでいきなりのウエットでは、ドライバーにどうこうしてくれ、というよりもピットアウトしたクルマの状態に大きく左右されてしまうので……。うまくバランスをコンディションに合わせられなかったのは、やはりチームとしての反省点ですね。明日はコンディションも読めないですし、2 回以上のピットインが義務付けですから、セットアップをもう一度見直して、その上でピットのタイミングなど正しい判断をして上位を狙いたいと思います」