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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>

2011年5月22日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 8位
<決勝> 天候:雨のち曇り|コース状況:ウェット~ドライ

2011年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝> 前日の予選では5番グリッドと、表彰台に向け絶好のポジションを獲得したLEXUS TEAM ZENT CERUMO。しかし、明けて日曜の天候は下り坂との天気予報が的中し、決勝日の岡山国際サーキットは早朝から激しい雨に見舞われた。

 チームとしてはもちろん想定をしていたウエットコンディションではあるものの、コース上のあちこちに水が浮き、泥水の太い川が流れるほどの大雨は予想外。ピットやパドックのあちこちにも大きな水たまりができるなど、午前8時30分から予定されているフリー走行を前に、チームスタッフも早朝からあたふたと対応に追われる。

 しかし、あまりの悪コンディションを受けて、急遽タイムスケジュールが変更されることとなり、フリー走行はディレイに。この間に天候の回復を待つこととなったが、雨は上がる気配はなくコースコンディションがさらに悪化したことを受け、結局主催者は午前8時30分過ぎにフリー走行のキャンセルを発表する。

 ところが皮肉なことに、その直後から雨脚が弱まり、ほどなくして雨が上がると気温も上昇。サポートレースのEVレースやピットウォークの間に路面はほぼ完全なドライコンディションへと様変わりを見せる。

 表彰台からファンへのメッセージを送るイベントやピットウォークなどで忙しく午前中を過ごした立川と平手、そしてLEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフたちは、フリー走行のキャンセルに伴って午後零時38分から25分間に延長拡大されたウォームアップ走行に臨むこととなった。

 所々に湿った黒い路面はあるものの、ライン上は完全に乾きドライコンディションで迎えたウォームアップ走行。午後零時38分のセッション開始と同時に、ZENT CERUMO SC430はスタートドライバーを務める立川の手によってピットを離れる。通常より拡大されたとはいえ、決勝に向けた最終調整の時間帯とあって1周たりとも無駄には出来ない。立川はコースイン直後から連続走行に入り、3周目から1分28秒台で周回を重ねて行く。

 開始8分のところで1分27秒台にタイムを上げて来た#38 ZENT CERUMO SC430は、この段階で9番手あたりにつける。いったんピットに戻り、セットアップ修正を行った立川は再びピットアウト。フィーリングをチェックすると、残り5分となったところで平手にステアリングを委ねる。

2011年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝> ウォームアップ走行としては例外的にふたりのドライバーの走行が許されたこともあり、セカンドスティント担当ながら決勝目前のコースに出た平手も、フィーリングを確かめながら1分28秒台前半の好ペースで周回。#38 ZENT CERUMO SC430はそのままチェッカーを受け、ポジションこそ12番手ながら決勝への確かな手応えを得てダミーグリッドに向かうこととなった。

 いよいよ午後2時、68周の決勝レースがスタートの時を迎えた。イン側5番グリッドから立川がフォーメイションに出て行く。グリッド上で最後まで足周りのセットアップ調整を行っていたスタッフたちも、ピット内のモニターに釘付けになる中、気温23度、路面温度29度というコンディションで戦いが始まった。

 スタート直後、序盤の立川はうまく5番手をキープ。前の#36 PETRONAS TOM'S SC430を追い、背後に#39 DENSO SARD SC430を従えつつ周回を重ねて行く#38 ZENT CERUMO SC430は、4周目にベストとなる1分27秒406をマークするなど、順調な立ち上がり。予選同様の拮抗した攻防が続き、7周目あたりからは周回遅れが出現し始め、ピットロードには雨粒が時折落ちるなど、トリッキーな状況ではあるが、立川はまずまずのペースでレースを進めて行く。

 ところが、後方から怒濤の追い上げを見せた#1 ウイダー HSV-010が、8周目に背後の#39 DENSO SARD SC430をかわして6位に浮上すると、徐々に状況が変わってくる。#38 ZENT CERUMO SC430を上回るハイペースで追い上げてくる#1 ウイダー HSV-010に対し、最初は約2秒あったマージンを徐々に切り取られ始めた立川は、13〜14周目あたりからは前の#36 PETRONAS TOM'S SC430を追うよりも、防戦を強いられることとなってしまう。

 巧みなライン取りで#1 ウイダー HSV-010の攻勢をしのいでいた立川だったが、周回が進むにつれ、徐々に#38 ZENT CERUMO SC430のタイヤも消耗し始める。よりハードなタイヤをチョイスしていた#1 ウイダー HSV-010は、コンマ数秒差で肉薄し追撃の手を緩めない。

 ついに25周目のヘアピンへのアプローチで、#38 ZENT CERUMO SC430のスリップから抜け出した#1 ウイダー HSV-010がインに切り込んで来てしまい、必死のドライビングを続けていた立川の防戦もそこまで。#38 ZENT CERUMO SC430は6番手に後退してしまい、立川は29周目にピットイン。後半のスティントを平手に託すこととなった。

    

2011年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>タイヤ交換と給油を終えた平手がコースに戻った段階で、#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは10番手。しかし、スティントを引き延ばしたライバル勢のピットインもあり、#38 ZENT CERUMO SC430は31周目に9位、33周目に8位、34周目に7位、さらに35周目に6位と順調にポジションを挽回していく。

レース中盤はそれ以上のポジションアップはかなわず、6位を走行していた平手だったが、42周目までピットを引っ張っていたレースリーダーの#23 MOTUL AUTECH GT-Rが目前にピットアウトすると、平手は狙いすますようにこれをオーバーテイク。44周目には#38 ZENT CERUMO SC430を5位に浮上させることとなる。

前を行く4番手の#100 RAYBRIG HSV-010とのタイム差は大きく、それ以上のポジションアップは難しい状況ながら、前を追い続ける平手。しかし、好事魔多し。54周目のヘアピンコーナーでGT300マシンを抜きに行った平手は、相手が譲る意思を見せたものと思いインに飛び込んだが、そこで2台は接触。相手がスピンを喫してしまうアクシデントとなってしまう。

このアクシデントに対し、57周目にドライブスルーペナルティーという裁定がLEXUS TEAM ZENT CERUMOに下されてしまい、58周終了時に平手はこれを消化。5位から8位にドロップしてしまう。

残り周回も少ない段階ながら、最後まで諦めずに前を追った#38 ZENT CERUMO SC430だったが、惜しくもそこからの挽回は出来ず、厳しいレースを8位という結果でフィニッシュすることとなった。


2011年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>ドライバー/立川 祐路
「う〜ん、ちょっと僕のスティントの後半は厳しい状況もありましたね。ただ、今週の全般的なライバル勢とのパフォーマンス差の状況を見ると、仕方の無い部分もあったかなとも思います。前のトムスとはペースも変わらず、ずっと良い攻防が出来ていたので、ピット戦略などで逆転出来るのではと考えていたのですが、途中で凄くペースの速い1号車が来てからは、相手を抑えるのに忙殺されてしまい、トムスとの間隔も開いてしまって。結果は凄く残念ですが、次のセパンも恐らく今回の予選のように僅差の戦いになると思います。そこで負けないためにも、チームも僕らドライバーも、頑張らないといけませんね」




2011年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>ドライバー/平手 晃平
「クルマの状態やフィーリングに関しては、それほど悪くなかったと思います。僕の後半のスティントでも前のトムスに対してラップタイム的にも上回っていましたからね。ただ、僕がペナルティーを受けてピットに入ってしまったので……。GT300と接触した場面は、バックストレッチエンドのヘアピンへのアプローチで、パッシングしながら抜くアピールをしたら、アプローチのところで相手がラインをアウト側に振ったので、行かせてくれるのだろうと思いインに飛び込んだのですが、相手が普通にターンインしてきて接触してしまったんです。そのあたりの反省を含め、次のセパンでは予選でももう少し上が狙えるよう、詰めて行きたいと思います」

監督/高木虎之介
「序盤の立ち上がりなど、レースの展開自体は悪くはなかったと思います。ただ、立川をピットに入れるのを少し手前、3ラップくらいは早めに入れておいた方が良かったかもしれないな、という反省はありますね。立川のペースが落ちたので、ミニマムの周回数である24周くらいで入れておけば、あと3秒くらいは前とのギャップが縮められた可能性があったように思います。5番手を走っていて、平手がペナルティーを受けて8番手になってしまったのですが、僕もああいった接触は良くありましたし、ペナルティーも経験したので、あまり平手を怒れないですね(笑)。セパンも接戦になると思いますが、持込みのセットアップとタイヤとの相性がポイントになると思います。今週はその点でまずまずだったので、次も上手く行くよう、チーム全体で努力してマレーシアに臨みたいですね」