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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第7戦 FUJI <予選>

2009年9月12日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選総合結果:13位 (1分47秒253)
<公式予選> 天候:雨 コース状況:ウェット

 優勝にこそ届かなかったものの、狙い通りの表彰台フィニッシュを飾った鈴鹿ラウンドから3週間。いよいよ今大会の富士からシリーズは終盤3戦に突入し、チャンピオン争いの佳境が近づいてきた格好だが、トップから8ポイント差のランキング5位につけタイトル奪還を狙う#38 ZENT CERUMO SC430にとっては、ここからの終盤戦はこれまで以上に落とせない戦いの連続となる。それだけに、得意の富士でのさらなるポイント加算を目標に、チームはレースウィークに臨むこととなった。

 土曜朝の公式練習は、午前9時05分からのスタート。この日の静岡県東部・伊豆地方は降水確率70%と高い確立での降雨の予報が出されていたが、それが見事に的中し午前8時すぎには上空から雨粒が落ち始める。

 時折強弱を繰り返しつつ降る雨に、ピットロードで上空を睨み、顔をしかめる竹内監督だったが、セッション開始のころには雨脚も弱まり、まずは立川がステアリングを握ってコースイン。レインタイヤを履いた#38 ZENT CERUMO SC430は、水しぶきを上げながらの走行ながら、立川は序盤のうちに1分46秒421のベストタイムをマークするとピットイン。立川はこの後もピットイン&アウトを繰り返し、細かくマシンに修正を加えつつタイヤ評価を進めていく。午前10時12分からは立川に代わってライアンがコクピットに収まり、#38 ZENT CERUMO SC430は強まる雨の中周回を重ねることに。ライアンが乗っている間、ピットでデータを真剣にチェックする立川の姿がモニターに映るが、今ひとつ表情はすぐれない。実は走行開始直後はまずまずながら、徐々に予想外のグリップ不足が浮き彫りとなり始めていたのだ。その後ライアンも精力的にセットアップを進め、セッションは午前10時45分に終了。雨量が細かく変化するコンディションの中、最終的に#38 ZENT CERUMO SC430は9番手に。しかし、チームはグリップ不足解消のため、さらなるセットアップ変更を予選に向けて行うこととなった。

2009年 SUPER GT 第7戦 FUJI <予選> 公式練習前に降り始めた雨がやや小康状態となるも、WET宣言が出されたまま気温17℃、路面温度19℃という肌寒いコンディションの中、午後零時50 分から公式予選1回目がスタートした。開始から25分間の混走時間帯に向けては、まずはふたりのドライバーの基準タイムをクリアしなければならない上、最後の占有時間帯に雨脚が強まることも想定してある程度のタイムはマークしておきたいところだ。

 セッション開始とともにコースに、まずはライアンがコースイン。計測1周目から1分49秒394をマークしモニターのトップに立った#38 ZENT CERUMO SC430は、2周目に1分48秒966、4周目に1分47秒647と着実にタイムを上げる。ところがその直後、ピットでヘルメットを被り待機中の立川が見守るモニターには、第13コーナーでスピンオフを喫する#38 ZENT CERUMO SC430の姿が。メカニックたちに緊迫の表情が走る。

 大きなダメージもなく事なきを得たライアンはそのままピットに帰還、ピット前で立川へとドライバー交代。立川はそのままピットアウトすると、自身の計測 2周目に1分47秒349へとタイムアップも、この時点での#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは10番手と振るわない。その後も周回を重ねた立川だったが、それ以上のタイムアップはならず、#38 ZENT CERUMO SC430は混走時間帯を11番手で終えることに。

 続いて始まった10分間のGT300占有時間帯を終えると、いよいよGT500占有時間帯が始まった。多くのマシンが早々にコースインする中、立川の乗った#38 ZENT CERUMO SC430は占有時間帯開始から2分後の午後1時27分、一番最後にピットを離れアタックに向かうが、腕組みをしながらその立川を見送るコンクリートウォールの竹内監督の表情はいぜんとして厳しいままだ。

 ピットアウトした立川は、計測1周目を1分47秒499とするも、ポジションは12番手。翌周には1分47秒253にタイムアップしたものの、順位は変わらない。続く計測3周目を1分48秒台とした#38 ZENT CERUMO SC430は、チェッカー提示後の最後のチャンスに賭けたものの、タイムは1分47秒261と僅かにタイム更新には届かず。結局他車のタイムアップによってひとつポジションを下げ、13番手に沈んだ#38 ZENT CERUMO SC430は、上位8台によるスーパーラップへの進出は許されず、明日の決勝を13番グリッドからスタートすることに。

 「アタック自体にミスはなかったけれど、最後まで思うようなグリップ感が得られなかった……」と、アタックを終え悔しげにモニターを見つめた立川だったが、その悔しさはスタッフ全員も同じ。ドライへと転じることが予測される決勝での、13番手からの#38 ZENT CERUMO SC430の追い上げに期待が掛かる。

ドライバー/立川 祐路ドライバー/立川 祐路
「鈴鹿とは打って変わって、あまり朝から流れが良くなかったですね。ちょっとアンダーステアというか、根本的なグリップ不足に苦しめられてしまいました。前回の富士でもあまり良くなかったですし、なんとなく今季はローダウンフォースのサーキットでうまく行っていないような気がします。アタック自体も普通に走れたのですが、クルマの状況を考えるとあれが精一杯だったと思います。タイヤ的にも他チームと似たようなチョイスだったと思いますし、持っている中ではソフト系のものでアタックしての結果ですから、となると、やはり原因はクルマだったと考えるしかないでしょう。今日は悔しい結果に終わりましたが、明日はドライになると思いますし、そうなれば状況もまた違ったものとなるでしょうから、決勝では追い上げショーをお見せしたいですね」

ドライバー/リチャード・ライアンドライバー/リチャード・ライアン
「厳しい一日になってしまったね。朝の走り始めのフィーリングはまずまずだったんだけれど、雨の影響で常にコンディションが不安定な中で、いろいろ違ったトライをしてみたものの、残念ながら僕らのマシンは良い反応を示してくれなかった。特に大きな問題となったのが、低速のセクター3でのアンダーステアだったんだ。ブレーキでフロントに荷重をかけられる1コーナーなどは悪くは無いんだけれど、セクター3ではどうやってもフロントタイヤに充分な荷重をかけることができなかった。悔しいけれど、明日はドライになるようだし、追い上げのレースをするしかない。チャンピオンシップを考えても、ここでは多少のリスクを犯してでも、できるだけ多くのポイントを狙うしかないよ」

監督/竹内 浩典
「ちょっとクルマのセットアップがうまく出ていないという感じで、コメントのしようがないですね……。残り3戦に突入して、ここからは非常に大事なレースですが、それで予選順位が13番手というのは厳しいというしかありません。しかし、そうはいっても決勝では追い上げるしかありませんし、本来ならば予選順位が悪いときは雨のレースを願うものですが、今回は雨でのセットアップが決まっていないので明日はドライのほうが良いでしょう。エンジニアもドライバーも、明日に向けてはいろいろ考えているでしょうし、決勝では絶対にこのままでは終われませんよ!」