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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第4戦 SEPANG <予選>

2009年6月20日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
総合予選結果:9位 (2分00秒446)
<公式予選> 天候:晴れ コース状況:ドライ

 岡山、鈴鹿、富士と前半の3戦を終え、シリーズランキングではチーム、ドライバーともに3位と好位置につけるLEXUS TEAM ZENT CERUMO。今回の第4戦からシリーズは中盤戦に突入するが、終盤までウエイトの下ろせない新規定下では、この中盤戦でどれだけポイントを重ねられるかがタイトル奪還には不可欠なだけに、気の抜けない戦いが続くこととなるが、その中盤戦のスタートは酷暑で知られるマレーシア、セパンが舞台。毎年マシンにもドライバーにも厳しい戦いが展開される、シリーズ唯一の海外開催の難所だけに、現地入り前の鈴鹿でのタイヤテストからチームスタッフ、ドライバーともに高いモチベーションを保っての戦いを迎えた。

土曜朝の公開車検を終えたチームは、いよいよ現地時間(日本との時差は-1時間)の午前10時からの公式練習に臨むこととなった。抜けるような南国特有の青空が広がるかと思いきや、時間を追う毎に空には黒い雲が押し寄せ、雨の到来を予感させる中、セッション開始から約2分のところで#38 ZENT CERUMO SC430はコースへ。コクピットには、前日に現地入りしたばかりながら、「2日開催の方が3日開催よりも間延びせず、却って集中しやすくて僕に合っているかも」と笑った立川。しかし、走り出してまもなくコース上には大粒の雨が落ち始め、皮むきのため、ピットに戻って2セット目のスリックタイヤを履き急いでコースに戻った立川だったが、一気にスコールのように強まった雨にすぐさま帰還することに。

2009年 SUPER GT 第4戦 SEPANG <予選> 一時はサインガードのテント下にいた竹内監督もピットに戻るのをためらうほどの土砂降りとなったものの、午前10時30分を過ぎた頃から弱まり始め、いったんヘルメットを脱いでいた立川も再びレインタイヤでコースイン。レインセッティングとレインタイヤの評価をこなしつつ連続周回をこなす。その後ライアンに引継ぎ、徐々に雨が上がり、路面が乾いていくセッション終盤に浅溝のレインタイヤに履き替えた#38 ZENT CERUMO SC430は、2分11秒997をマーク。総合では2番手にとどまったものの、レインタイヤでのタイムではトップを奪い、まずまずの手応え。マシンを降りたライアンも「雨の中でのフィーリングは良かったけれど、ドライの予選ではどうかな。ウエイトが効いてくるかもしれない」としながらも、まんざらではない表情を見せる。

 ところが、このライアンの言葉が現実のものとなってしまう。天候が回復したことで、午後2時15分から始まった公式予選は完全なドライコンディションでの戦い。「ドライで走れていないんで、みんなぶっつけ本番のような予選になるでしょうね。持ち込みのセットが合うかどうかで順位が決まってしまうかも……」と語った立川がセッション開始と同時に序盤のGT300との混走時間帯に出て行く。ここで3周目に2分01秒969をマークした立川は、いったんピットに戻りセットアップを修正。計測7周目に2分01秒417にタイムを上げ6番手でライアンに交代。ここでライアンも基準タイムを軽くクリアする2分01秒 295をマークしたところで混走時間帯は終了し、残るはGT300の占有時間帯に続いての、ラスト10分のGT500占有時間帯のアタックに賭けることに。

 午後2時55分にGT500ボードが提示され、GT300のマシンが少なくなるのを待って再び立川が乗り込んだ#38 ZENT CERUMO SC430がコースイン。シャワーに見舞われた午前とは打って変わって、南国特有の暑さの中、サインガードの竹内監督が汗を拭いながらモニターを見つめる。その視線の先を立川の駆る#38 ZENT CERUMO SC430がアタックラップに入った。アタック1周目は2分00秒517、翌周は2分00秒446として立川が5番手に浮上したところでチェッカーが出る。“スーパーラップ進出を果たしたか……!?”とピットのスタッフ全員が思った直後、チェッカー後のファイナルラップにタイムアップするライバル勢が相次ぎ、モニター上の#38 ZENT CERUMO SC430のポジションがじりじりと後退、最後の最後で9番手にまで下がってしまう。「さすがに3周続けてのアタックは無理だった……」と無念の表情を浮かべた立川の最終ラップの逆転はならず、#38 ZENT CERUMO SC430は惜しくもコンマ1秒差でのスーパーラップ進出を逃がすこととなり、チームは明日54周の決勝を9番グリッドからスタート、怒涛の追い上げを期することとなった。

ドライバー/立川 祐路
「予選でのアタック自体はクリアが獲れましたし、現状を考えればまずまずだったんじゃないかと思います。ミスもなかったですしね。ただ、ウエイトも積んでいますし、貴重な予選前の走行時間のほとんどがウエットになってしまったこともあって、周りもそうでしょうけどクルマとしても決まっていなかったように思います。このところスーパーラップに僅差で行けない9番手が定位置になっているような感じで残念ですが、終盤のタイトル争いを考えれば、明日の決勝でも出来る限りのポイントを稼ぐべく、全力で行きますよ!」

ドライバー/リチャード・ライアンドライバー/リチャード・ライアン
「僕的にはクルマのフィーリングは悪くなかったし、なんとかスーパーラップに行ければと思っていたんだけれど、ウエットではあまり影響しなかったとはいえ、ウエイトが響いたようだね。ただ、今年は終盤までウエイトを下ろせるわけではないし、タイトル争いを考えればこの状況でもベストを尽くして戦っていくしかない。9番手スタートならば、表彰台は厳しいとしても何ポイントかは必ず獲得できるはず。あきらめずに明日は戦うよ」

監督/竹内 浩典
「残念ながら惜しくもスーパーラップに届かず、という感じですね。ウエイトを積んでいるという点に関しては、ウチより少し重い36号車がさらに後方グリッドにとどまったことを考えれば、SCというクルマにウエイトが効いているというか、少し辛い部分があるんじゃないかと思いますね。そう考えると、ウエイトの減らない6戦終了時点までは、なんとかこの状況でしのいで行かなければならないんだということも見えてきましたから、終盤3戦のチャンピオン争いを少しでも優位で戦えるようにすべく、決勝でも粘り強くポイントを獲りに行きます」